千の風に乗って(2007.5.7)


 人は、旅を想うとき、今住んでいる場所からできる限り遠くへ行きたいと思う。


あの山の向こうには、どんな風景が広がっているのだろうか・・・・
そのまた山の向こうには、どんな新天地があるのだろうか・・・・・
そのまた山の向こうには、どんな邂逅が待っているのだろうか・・・・・


あの島の向こうには、どんな風景が広がっているのだろうか・・・・
そのまた島の向こうには、どんな海が広がっているのだろうか・・・・・
そのまた島の向こうには、どんなにすてきな恋人が待っているのだろうか・・・・・

旅への誘い

海を見ると、そんな旅への誘いで、なるべく遠くまで船旅をしたいと思う。
今年のゴールデンウィークは、仲間と一緒に初日から島原へ一泊二日の釣り旅ができた。
狙った魚は釣れなかったが、とても楽しかった。
旅とはいいものである。

その楽しい船旅から帰った二日後、突然、職場の先輩であるUさんの訃報を聞いた。
聞けば癌であるという。
何度か新徳成丸に乗り、一緒に釣りを楽しんだ仲間であるUさん。
一緒に船に乗った仲間の逝去を知るとき、
 ”なんでまた・・・・ どうして・・・・ 今度また一緒に船釣りに行こうと思っていたのに・・・・ なんでそんなに早く・・・”
・・・・耐え切れなくて、はがゆいくらい悲しい・・・・・・・

Uさんの人柄だろう、こんなにもたくさんの人がと、驚くほどの会葬者で葬儀会場は埋め尽くされた。


遠くへ行ってしまったUさん。
Uさんはきっと、今頃、千の風に乗って、あの小さな港の防波堤に舞い降り、釣り糸を垂れているに違いない。


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