小さな、小さな一泊の旅(その2日目)

 熊本市 → 宮原町 → 五木村 → 相良村 → 人吉市 → えびの高原 → 霧島 → 志布志港(一泊)

志布志町 → 都井岬 → 日南市 → 宮崎市 → 綾ワイナリー → 日向新しき村 → 北郷村 →  高千穂町 → 熊本市 

朝、起きて、1月13日(土)。
志布志港から、海岸沿いに、野生馬で有名な都井岬へ向かった。
土曜日の朝、朝が早いこともあり、行き交う車も極端に少ない。

都井岬は、今回で3回目の訪れである。
灯台の手前を、御崎神社の道路標識に沿って、下の海岸近くまで行ってみた。
行き止まりの駐車場に、釣り人のものと思われる3台の車が止まっていた。
駐車場に車を止め、50メートルくらい下の海岸まで歩いて下りてみた。

いるいる。岩場に釣り人が。こっちに2人、あっちに3人と。
どこにでもいるもんだ、好きな人は・・・。と、思わず楽しくなる。
まだ、海まで数十メートルはあろうかという岩場から、下に見える釣り人をしばし、眺めていた。
そしたら、2分もしないうちに、その釣り人のひとりにアタリがあったのが見えた。
チヌのようだ。
竿のしなりは、たとえそれが、他人の竿であっても、「オ、オオオー」という感じである。
しばしのやり取りの後、水面まで魚影が見えたが、残念ながら、これから取り込みという
ところで、バラしてしまった。
「あ、あー。おしいなあ全くう。素人じゃねーか、あいつ」などどひとりごちてしまった。
空から、みぞれが降ってきた。
おおさぶー。急いで駐車場へと向かった。

都井岬から日南市を経て、宮崎市に向かった。
この海岸線には、遠洋漁業の基地港が多い。
油津港、目井津港など。
まだ、正月休みだろうか。
港には、大漁旗で化粧した大型漁船が幾隻も停まっている。


【目井津港の漁船】


食べることばかり書いているような気がするが、
宮崎市の中心街、山形屋のすぐ裏手に、それほど大きくはないお店で、
「おぐら本店」という洋食屋の「チキン南蛮」がうまいと、
ガイドブックにあった。
そこで、
昼前を取ろうと思い、市の中心街近くの有料駐車場に車を止めた。
朝から何も食っていないので、11時の開店と同時に行こうと思った。
11時には、まだ時間がある。
一番街というアーケード通りの本屋さんで、時間をつぶすことにした。
佐高信(さたかまこと)氏の本があったので、買ってしまった。
さあ、11時だとばかりに「おぐら本店」へ行ったが、開店は11時半からだという。
しかたがないから時間まで、山形屋のロビーの椅子に座り、買ってきた本を読むことにした。


【宮崎名物 チキン南蛮】

チキン南蛮とは、やわらかく揚げた鶏にタルタルソースを組み合わせたものであり、
ここ、「おぐら本店」が発祥の地であるらしい。
確かにうまかったが、タルタルソースが独特であり、チーズか何かを混ぜてあるようだ。
個人的には、オーソドックスなタルタルソースの方がうまいのでは?と思った。
また、野菜サラダにかかっていたドレッシングが最高だった。ライス付きで、900円也。

宮崎市から車で、小一時間、綾ワイナリーで、女房への土産にと、白ワインを1本買った。
1000円、1500円、1800円、2000円とあったが、奮発して2000円のを1本買った。

武者小路実篤の著書で、「新しき村」を読んだことがあったので、
日向新しき村に向かった。
「この道より我を生かす道なし、この道を歩く」八十六歳 実篤 
と、道路沿いの看板にあった。
また、その近くの「実篤文学の碑」に、
「山と山とが讃嘆しあうように、星と星とが讃嘆しあうように、人間と人間とが讃嘆しあいたいものだ」
昭和四十三年 武者小路実篤 とあった。


【実篤 文学碑】

何かしら、道路工事やダムの工事などがあっていたので、
目と鼻の先にある、日向新しき村まで行けなかったが、
まあ、いい。次の機会としよう。
代わりに、近くにあった、「木城えほんの郷」を訪れた。


【移動文庫車
ほのぼのとした、車である。絵本をたくさん積んで、山間の郷をめぐるのだろうか。


【森のえほん館】

子供たちが楽しく、一日中遊べそうだ。
「森のえほん館」、「森のきこり館」、「森の芝居小屋」、「水のステージ」などの
施設があり、宿泊もできるコテージ(1泊1万円)もある。


帰路、道を間違え、高千穂を越して熊本方面へと帰るときには、夜7時ころになった。
折りからの寒波のため、道路には雪が積もり、かろうじて轍のところだけ
雪が溶けていたので、何とかノーマルタイヤで通れた。
山の上は、冬は怖いと思った。

こうして、一泊の小さな旅は終わった。
また行きたい。
じっくりと、計画を練って。



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