白い色(2004.1.14)


海でいうと、干潮よりも満潮が呈する風景が好きだ。
何故なら、ゆったりしているし、全てのものを海水が浸し尽くしてくれるから。

熊本から大分まで仕事で往復した。いわゆる日帰り出張だ。
昨日からの冷え込みと雪のためか、立野を過ぎたあたりから世界一のカルデラ地帯は白一色である。
その白一色の平原を、3両編成の豊肥線、阿蘇1号が走る。


【田んぼに積もる雪】

感動である。
車窓から目に入るものは、白一色。全てのものを覆い尽くしている景色だ。
今年初めて見る雪景色に、「白っていいなあ」としみじみ思った。

               
【遠くの山々もうっすら・・】           【はるか後方に外輪山が】

外輪山を抜け、大分側に入るとさらに雪の量が増えた。
車窓から見える道路はほとんど凍りついている。
車で来なくてよかった。滝室坂は越えられまい。

豪雪地帯に住む人にとっては忌々しい雪も、
雪にであう機会の少ない九州に住む私には、ロマンチックですらある。

流れる車窓からの景色を眺めながら、
・・・・・・の白い色は〜恋人の色〜♪ と口ずさんでいた。無意識に。


【大分市に近づくにつれ、雪は消えていった。小駅の待合所】


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