やねだん(2011.6.11)

 鹿児島県 鹿屋市の柳谷集落、人口300人の過疎地。
柳谷(やなぎだに)を、鹿児島弁で “やねだん”という。

先日、職場の先輩から
 『 このDVD見てみらんね。感動するけん。』 と言われ渡されたビデオ。


【 DVD “やねだん”  〜人口300人 ボーナスが出る集落〜 】

その言葉どおり、ビデオを見て感動した。
地域再生のモデルがここにある。

行政に頼らず、住民の力で地域再生を果たしているモデル地域である。
全国どこにでもあるような、さびれゆく過疎高齢化の集落が、
全国から注目される活性化した集落に変貌した。

 ・カライモ生産活動
 ・わくわく運動遊園建設(地域住民の手作り)
 ・土着菌製造・活用・販売(センター建設)
 ・小中学生対象に寺子屋運営
 ・焼酎「やねだん」開発
 ・やねだん未来館建設・手打ちそば食道の開業
 ・めったに見られない芸術祭 in やねだん開催

実施する施策、次に実施する施策、
全てが地域住民と一緒になって成功に結びつく。

これらは、私利私欲を全て捨て去った強力なリーダーである
自治公民館長 Tさんの苦労物語でもある。

このTさんの話される言葉に全て感動する。
 『 行政に頼らないで、集落で出来ることは集落でやっていこう』
 『 財源を外に頼っていたのでは、感動もない。
   集落民の企画能力を発揮する場所すらなくなる。』
 『 絶対に命令しないこと。 自ら率先して動くこと。 』
 『 企画実践したことに対する評価は甘んじて受けろ。
   満点のリーダーなんかどの社会にもいない。
   人間は勝手なもので、人の批判は平気でする。
   地域活動に参加もしないのに、不平不満の論者が、どこでも点在する。
   こんな時こそ、忍耐と勇気。顔を上げて笑顔で闊歩。
   こんなリーダーこそ、真のリーダーである。 』 

このビデオを見終えた私は、リーダーであるTさんの言葉に最も感動した。
特に、上記の最後の言葉・・・満点のリーダーなんかどこの社会にもいない・・・・
にいたく感動した。

Tさんの活動で、さらに凄いのは、
 「 高齢者が亡くなり、人が少なくなっていけば、
   どんな活動をしても10年や20年で停滞する。」という信念の元、
集落の空き家を、持ち主の許可を得て、5軒も整備し、
全国から移住してくれるアーチストを募集し、
文化をも取り入れ、次の世代へとバトンタッチしていくという施策、
その施策で、若い画家、陶芸家、写真家等が移住して来て、
減り続けていたやねだんの人口が、増加に転じたのである。

ビデオを見て想った。
私利私欲を捨て、真にリーダーとして、人のため地域のために
活動している人の顔は実に眩しく、とても輝いている。


 へ   へ    仕事メニューへ        エッセイメニュー        ホームに戻る。