カワセミ虹(2011.2.15)
毎朝、熊本市内を流れる白川のほとりを、
ゆっくりと歩きながら会社へ向かう。
【 熊本市の中心部を流れる、一級河川 白川 】
ここ一ヶ月くらいのことだ。
ある場所に近付くと、2、3日に1回の割合だが、
芝生から石垣がせり出した川辺に、カワセミがいるのを見る。
最初にカワセミを見たときは、へーっ! こんな所にもカワセミが居るんだぁ・・・
と感動したものである。
【 カワセミ 実に綺麗な鳥だ。 空中で静止している姿もよく見る 】
警戒心が強いのだろう、少しでも近付くとすぐ対岸へと逃げてしまう。
逃げる途中で、えさの小魚でも見つけたのか、
まるでハリアー戦闘機のように、空中で静止する。
そして、水面に向かって一直線に急降下して小魚を捕獲する。
それにしても綺麗な鳥である。
鷲や、鷹のような力強さでもなく、
インコや、孔雀のような絢爛さでもなく、
小さくても実に爽やかで、美しく、高貴ささえも感じられる鳥だ。
その瑠璃色の輝く身体、羽根は、神秘的でさえある。
このカワセミに出会えた朝は、何かしらいいことが起こりそうな予感がする。
予感というよりも、気持ちが明るくなり、
“おはよう!” と発する声にも、何かしら元気さ乗り移る。
そんな爽やかな気持ちで、職場に着くと、
先輩のMTさんが、デジカメを持って何やらはしゃいでいる。
何、何、何、と、私も野次馬根性で近付いてみると、
壁のローッカの扉に、虹が出ているのだ。
【 ロッカーの壁に、虹が出ている。(心霊現象か?) 】
これは、太陽の光りが窓際に差込み、
ちょうど窓際にあった、2重の透明なアクリル板を通して反射したものである。
上の方は、瑠璃色を呈していて、今朝出会ったカワセミの色と同じだ!
窓際と壁の間の光りの道に、MTさんが立ちふさがった。
【 ほら、ほら、ほら、おるがカッターシャツに虹が・・・・・ 】
“こいば、デジカメで撮って!撮って!” とはしゃぐMTさん。
まるで、幼い子供のようにはしゃぐことのできるMTさんは、実に立派な人だ。
私も同じように、ウワーッ! すごかぁ!などと言って一緒にはしゃいだ。
何事にも、子供のような好奇心で感動できるMTさんのような人は素晴らしいと思う。
何故って、そんな人は間違いなく心温かく、思いやりのある人だから。
ちょっと腹は出てるけど
そうこうしているうちに、始業のチャイムが鳴り、
“さあ、さあ、今日も精一杯、仕事、頑張ろうかねぇー!” と、なるのである。
一日の仕事がうまくはかどり、無事終了。
その後、夜になり家へ帰って来たが、
カワセミと、虹に会った割りには、何もいいことが無い。
ちょっと待てよ、今日一日、無事、事故もなく平々凡々と過ごせた事が、きっといい事なのだ。
明日の朝もまた、カワセミに会えるといいな!