痛々しかなあぁ(2008.12.26)


 私の仕事の内容は、書いても仕方がないので省略するが、
私の職場から、社用車が停めてある駐車場までは、
一度ビル外に出て、舗道を50mほど歩き、さらに3階のフロアまで階段を上る。

ある日の朝、仕事でお客さま宅へ。
ショルダーバッグ(老眼鏡や技術資料や小道具が入っている)を肩にかけ、
右手にノートパソコンが入ったケースを持ち、
左手に無線LANルータなどの通信機材が入った手提げ袋を持ち、
舗道をヨタヨタ歩いて、駐車場に向かっていた時のことである。


【 こんな感じで、歩道を歩いていた 】

後ろから、小さな声がした。
「 痛々しかなあぁ・・・ 」
技術資料、パソコン、機材、どれもかなり重い。

頭は禿げて、わずかに残った髪は白髪だらけ、
歳は60過ぎと思われるヨタヨタしたおじいさん。
何で、そんな重い荷物を3つも抱えて舗道を歩いているんだ。
もう、とっくにリタイヤして、悠々自適の暮らしをしている歳じゃあないか。

「 痛々しかなあぁ・・・ 」 の、小さな哀れみを込めたその声に振り向いて見たら、
となりの職場の同僚じゃあないか。

負け惜しみも込めて、私は言い返した。
『 なーーんの、お互いさまじゃあないですか 』
その同僚も、けして若いとは言えない歳で、
同じように、バッグと手提げ袋を持って歩いている。

私は今年、55歳になったばかりですが、頭は禿げ残りも白髪混じりで、
目はくぼみ、猫背で、たいていの人からは65歳過ぎに見られます。

木枯らしが、舗道の落ち葉をヒューッと巻き上げながら、
ただ、いっさいは過ぎていきます。

・・・・・なんの こっちゃ!
そいばってん、わびしかなあぁ・・・・


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