イチローのエラー(2007.9.16)


 スポーツニュースが好きで、よく見る。

先日、シアトル・マリナーズのイチロー外野手(33)が「1番・中堅」で出場したアスレチックス戦の五回、
左中間の飛球を落球し、今季初失策となった。

ニュースのタイトルもすごい。・・・「鉄壁を誇る“エリア51”が決壊した」
 

エラーはしたがその日のイチローは、六回にはサイヤング賞(最優秀投手賞)の有力候補、
ダニー・ハレン投手(26)から中前に汚名返上の勝ち越し適時打。
チームは6−5でサヨナラ勝ちを収めたが、
それでも今年も7年連続のゴールドグラブ賞が確実なイチローはショックを隠せなかった。

 「消し去ることはできない…」。
 「(エラーの数で)0が1になったことは、僕にとってはやはり、つらいですね」
 「取り返すことなんかできない。そのまま引きずって、(六回以降打席に)入りました」
  何を引きずっていたのか? ⇒「乱れだね、精神の」。

完ぺきさを求める天才は、自分が許せなかった。
久しぶりの劇的サヨナラ勝利に沸くクラブハウスで、「別物だね」というイチローの周りだけは別世界だった。




以上は、ニュース記事の要約であるが、イチロー選手の、そのプロ根性は実に素晴らしい。
コメントも実にイチローらしい。
これほどまでに、プロというものは仕事に打ち込んでいるんだ!・・・・私は感動した。


ところで、私は27年前、長崎市は浦上にある職場に勤務していた。
職場で結成された、ソフトボールのチームに所属し、長崎市早朝ソフトや、ナイターソフトの
連盟に登録し、ほとんど毎朝、近くのグラウンドで練習に汗を流していた。
特に、夏場の早朝は、まだ太陽も昇りきる前で実にすがすがしく、26歳だった私は懸命に練習した。



その職場チームの監督は、KWさんという先輩で、高校時代、甲子園を目指して頑張った人だ。
フリーバッティングでは、ピッチャーを務め、守備練習では厳しいノックの雨を降らせた。
選手層は厚く、40代の人も居たので、私は若い方だった。

ノックのとき、外野フライはよく落球するわ、内野ゴロでファースト送球、これも落球するわ、、、、
その時、KW監督の大声が飛ぶ!
   
「コラーア! ポロポロすなー!ポロポロ!」
難しい外野フライに、走って、走って、ファインプレーでグラブに納め、その後ポロリと落球・・・・
KW監督の大声が再び飛ぶ!
   
「コラーア! グラブに当てたら、死んでも放すなーあ!」

みんなよく練習したが、長崎市民早朝、ナイターソフト大会では毎年ほぼ初戦敗退であった。
バッターボックスに入る前には、ベンチの監督のサインを見るという基本動作さえできなかった。
そんな私のような初心者でも、試合に出してくれたKW監督。

イチロー、エラー・・・のニュースを見て、私の懐かしい青春時代のひとコマを思い出した。
数年に1回エラーをするか、しないかのイチロー選手と、フライが上がればよく落球した私・・・・
似ても似つかないのだが、KW監督の声が今も聞こえる・・・・・
   「コラーア! ポロポロすなー!ポロポロ!」


 ただし、私は仕事だけは、ポロポロしてはいないつもりです。ハイ!


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