生肉 (2011.5.19)


 ある焼肉屋で、ユッケとやらの料理で、食中毒になり死者まで出た。
何とも残念で痛ましい事件である。

自分が生肉を食べないものだから、ユッケという料理さえ知らなかった。
私は
生肉を口にしない。
戦後のドサクサにまぎれて生きてきた過程において、
芋や、鰯や、オカラは食べても生肉を食べる習慣がなかった。
そもそも肉を食えるのが、盆と正月くらいであり、
それもきちんと煮たり、焼いたりした上でないと食べられなかった。
焼肉なら、いわゆるウェルダンである。
ウェルダンでないと食えなかった。

また鶏肉は、あの鳥肌を見た日にゃ、
どんなに料理しても食えなかった。
大人になるにつれて、だんだんと食えるようになって、
今では焼き鳥大好き!にまでなった。
しかし、ビフテキの生は、今でも食えない。


【 うまそうな鉄板焼肉ではあるが・・・ 】

残念ながらアッシは、上の写真のように、少しでも赤い部分があると食えないのだ。
ここ、熊本の地に住んで長くなるが、
長崎出身の私は、馬刺しさえ普段、口にしない。
血の色がする、あの赤みを帯びた生肉を食えないのである。

数年前、割と高級な焼肉店でビフテキを注文した私は、
「とにかくウェルダンで焼いて!」と頼んだら、
店員曰く、『堅くなりますよ』と。
私は言った、「少しでも赤い部分があると、私は食えないんだ」と。

貧乏に育った、悲しい男の性なんだ! と (そこまでは言わなかったが)


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