福壽の皿うどん (2010.8.8)
ついに食った。福壽(ふくじゅ)の皿うどんを。
前回の長崎行きは、ゴールデンウィークの真っ只中だったので、
福壽の店の近くを通ったのだが、すごい行列だったので諦めざるを得なかった。
なにせ、長崎の中華街の通路から、観光客があふれていたのだから、
当然、駐車場はどこも空きがなく、その混みようはハンパではなかった。
ところがこの週末、墓参を兼ねて長崎へ行って来た。
幸いなことに、中華街は混雑していなかった。
中華街のひとつ外れの通りに面した福壽も、お昼時の割りにはすいていた。
さっそく、女房と二人で入って、私が、“皿うどん”、
女房が“チャンポン”を注文した。
待つこと4、5分
来た、来た、キターッ! 皿うどん
【 これが福壽の、皿うどん 】
【 これが福壽の、チャンポン。 向こうの手は女房の手だ。 】
今回は、箸をつける前に携帯のカメラで撮影できた。
私の好きな作家で、もう亡くなられたが 吉村 昭 氏が書かれた、「七十五度目の長崎行き」
という本に以下のような下りがある。
“ ・・・・昼食には、皿うどんかチャンポンを食べるが、そのうまさは長崎以外では味わえない。
土地の人によると、あそこの店が一番うまい、いや、こっちの店だ、などと
意見がマチマチで、それによってさまざまな店に入ったが、今では永島正一氏が連れていって
くれた 「福寿」という店に落着いた。
ことに皿うどんがうまく、どうしてこんなにうまい物があるのだろう、
と食べるたびに感嘆する・・・・・・・・・・ ”
同じような事が、他のエッセイの中でも書かれているので、
私としては、一度は福壽の皿うどんを食いたいと思っていたのだ。
その皿うどんだが、氏の感想どおり、実になかなかの味であった。
皿うどんが出てきたときには、やや小ぶりだなとも思ったが、
どうしてどうして、食べてみると結構ボリュームもあり、私のおなかは満腹になった。
女房が食べたチャンポンも、スープを少しすすってみたが、これもなかなかおいしい。
女房殿いわく、「これなら、あっさりしていて(諫早の)ばあちゃんでも食べられそう!」
というご意見。
真夏の暑い昼時だったので、お冷も3杯ほどいただいたが、食後の水もとてもおいしく、
グーッとイッキに飲み干した。
両方とも800円也。
レジにて、1,600円払う時、店員さんに思い切って聞いてみた。
「 あのー、やっぱり吉村 昭さんの名前を出されるお客さんって、いますか。」
⇒ 『 けっこういらっしゃいますよ。そして皆さん、皿うどんの太麺を注文されます!』
「 あいたー、しもうた! そうたい! 皿うどんは太麺やった!」
そういえば、氏のエッセイのどこかに書いてあったよなぁ、・・・・・私は太麺のほうがおいしいと思う・・・・と。
うかつだった。 細麺を注文した事をブツブツ言いながら後悔していると、
『 今度また、太麺をお召し上がりにおいでくださいませ 』
と、ニコニコして、レジの女性はおっしゃったのだ。