カマス(2023.6.11)
40年ほど昔の事を、ふと思い出した。
私が長崎の会社に入社して、まだ間もない頃だ。
当時は、よほどの事がない限り残業で居残るという事はなかった。
従って夕方5時過ぎには、退社となるのが普通で、
ロッカールームで帰り支度をしていると、
誰からともなく、
『ちょっと、おでん屋で一杯ひっかけて帰ろうかぁ、、、、』
などと、声がかかる。
帰宅して特段の予定がなければ、
「いこ、いこ!」となる。
係長と、先輩二人、それに私と、
計4人で、会社の近くのおでん屋に行った記憶がある。
それぞれおでんを、2、3品頼み、ほかにも何かもう一品、肴がほしいところだ。
その時、私の大好きだった係長は、
“アゴの塩焼きば、いっちょくれんね!”と、追加注文をした。
出てきた “アゴの塩焼き”は、五島列島あたりで獲れたものだろうか、
かなり大型で、見るからにおいしそうで、ばっちり日本酒に合いそうな肴に見えた。
高卒で、入社間もない青二才の私は思ったものだ。
“さすがに、うまい酒を飲みなれている人が注文する肴はちがうなぁ、、、”
と、いたく感動した事を思い出す。
あまりにもうまそうなので、
「Uさん(係長)!、その塩焼きはうまかごたるですねー!」
と、私が言うと、
『おうっ、うまかぞー、食え、食え!」
と、私の方に皿を突出してすすめてくれた。
私はありがたく、ひと口だけ箸でつまんで食べさせてもたったが、
これが、実においしかった。
アゴという魚が、トビウオだとはまだ知らない頃だったと思う。
最近、釣りにも行かないなぁ、、、、
釣りに行かない代わりに、妻と近くのスーパーマーケットに買い物に行った。
鮮魚売り場に、アゴは無かったがカマスが売ってあった。
【 かます 】
やや小ぶりのカマスは、4匹入って280円、
手前のパックは、少し大きいので三匹で280円。
7匹で約600円、1匹100円にも満たない。
2パック買って、干物をつくることにした。
頭はつけたまま開きにするのが常道だが、
焼く時のグリルもそんなに大きくないし、頭を落として開きにした。
海水よりも少し濃いくらいの塩水に15分ほど浸し、
干し網で干した。
【 久しぶりに使った、魚などの干し網 】
3段ある干し網の、一番上だけて事足りた。
昔は、アジをたくさん釣ってきたときは、
少なくとも2段は使っていたよなぁ、、と
懐かしく思い出す。
朝から、曇り時々雨という天気であったが、
カマスを捌いて干し出した午後は、時々
太陽も出るくらい天候も良くなった。
さあ、夕方には取り込んで、
一枚一枚ラップに包んで、
一夜干しのように、冷蔵庫で保管しよう。
酒の肴にはもってこいだ。
今夜、一枚焼いて食ってみようかなっと。