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タンザニアスタディーツアーを終えて


 私の今回の旅の目的は、@応援しているチャワタの現状を肌で感じる。A参加者にタンザニアを感じ
てもらう。B再会の三つであった。それぞれの感想を読ませてもらって、目的は達成できた気がする。そ
して今回の旅での大きな収穫は、改めて人のつながりの大切さを感じたことだ。カリムさんに出会い、パ
ワーある日本の仲間と出会ったことから始まったトゥエンデの活動。そして、今回のツアーで、カリムさん
がいろいろな人達と私達をつなげてくれた。そして、参加者同士も、とてもいいつながりが出来たと思う。
つながることによって、「遠く離れていても、なんだか気にかかる、ほっとけなくなる」それがエネルギー源
になるということに気づかせてくれる旅であった。

 参加者の文章を読んでいると、同じときに、同じところにいても、それぞれ注目しているものが違った
り、同じことについても見方が違い、面白い。今回は雨季であったが、乾季に行けば、また違うタンザニ
アが見えてくるだろう。旱魃の年に行けばなおさら違うだろう。私達は現地を見て感じてきたのだが、それ
は、それぞれの人を通した真実の一部でしかないということを、伝えるときに注意したい。

 これまでは、私を通したタボラやチャワタの真実が頼りだったが、これからは、11人を通したタボラの真
実を頼りに活動していけるのはとても心強い。

 今回、今まで応援してきたチャワタの他にTDFT、キテテ病院、イプリの孤児院ともつながりが出来た。
タンザニアのことを日本のみんなに伝えたり、タンザニアへ贈り物をしたり、自分達の生活を見直しなが
ら、応援していきたい。それぞれ、やり残したこともあるだろう。やり残したことは次回行く人に託したり、
それぞれ日本での生活や活動で、カバーしていきたい。

 私も、沢山やり残したことがあるが、今、ふと思い出したことがある。チャワタでのミーティングが終わっ
たあと、みんな積極的に日本人に話しかけてくる中、溶接工の1人が寡黙に働いていた。彼は、私がタン
ザニアに住んでいたときもいたメンバーで、当時もやはり寡黙に働いていた。彼は、何を必要とし、チャ
ワタをどのように見ているのだろう。聞いてみたかった。声高な人の意見だけでなく、寡黙な人の声も聞
けるようになりたいものだ。

 寡黙といえば、知的障害のため、話したり、書いたりできない参加者のM君。私は、彼が何を考え、感
じているのかを、読み取る能力がまだ無い。M君は、長時間の飛行機にはストレスを感じていたようだ
が、他は、淡々と一緒に行動していた。今、目を閉じてM君のことを思ってみた。なぜか、ほわんと涙が
流れた。M君の「良かったよ」という返事なのだろうか。まだはっきり分からないけど、私は、M君から大切
なことを教わっている気がする。私は、M君と、そして他のみんなと一緒に行けてよかったと心から思って
いる。

 今回のタンザニアの滞在期間は短く、良いところも、悪いところも、少しずつ垣間見たに過ぎない。で
も、「遠く離れていても、なんだか気になる、ほっとけなくなった」という感想を聞き、まさに、それが共に生
きていく始まりのような気がした。人と人のつながりを大切に、これからも共に歩んでいきたい。

 これまで応援して下さった皆さん。車椅子にかかわった岩手県社会福祉協議会や工業高校の皆さん。
タンザニアの皆さん。一緒に行った皆さん。皆さんに出会ったことで、大きな収穫がありました。ありがと
うございます。トゥエンデは会員制ではないので、トゥエンデと少しでもかかわってくださった方は、勝手な
がらトゥエンデの仲間と私は思っています。至らずに、思いと行動が伴わないことも多々ありますが、皆
様の自由と平和と幸福を願って筆をおきます。



  2004年2月19日   米澤  真奈美


 
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