チャワタ
タンザニアのタボラの町にある障害のある人たちのための福祉施設チャワタを、トゥエンデは応援している。資金も無い中、施設を運営していくのはなかなか難しいことだと思う。いろいろな問題を抱えながらも続いているチャワタについて、私の知っている限りではあるが記録のためにも振り返っ
てみることにする。
1、チャワタと私の出会い
青年海外協力隊(以後、協力隊)としてタンザニア・タボラの町で高校の数学を教えていたある日、町を歩いていると「こんにちは」と日本語が雑踏の中から聞こえてきた。ここはほかに日本人はいな>いし、観光客が来るようなところでもない。もう一度「こんにちは」と声がするほうを見ると、足が不自由な人用の三輪車に乗ったカリムさんがいた。JICA(国際協力事業団)の身体障害者リーダー研修で日本に何ヶ月か居たことがあるため、日本語を少し知っているとのこと。自分たちの施設をぜひ見>に来てほしいと言う。その時は「またタンザニアでは良くある、ダメもとのおねだりかな」ぐらいにしか私も話を聞いていなかった。町で会うたびに声をかけられるので学校の帰りに寄ってみた。大きな施設ではないが、木工、溶接、ミシンの部門があるチャワタという福祉作業所で、ポリオで足の不自由な人たちが何人か働いている。カリムさんが日本で福祉作業所を見学して、それに習って施設に作業所を加えたという。日本での研修が役立っていることを見るのはうれしかった。物が充分ではない中で、カリムさん自身足が不自由であるにもかかわらず、なんだか良くがんばっているようだ。
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一番手前の白シャツの男性がカリムさん。彼との出会いからすべては始まりました。写真は日本>から送られた古着をバザーで売っているところです。この収益が後に出てくる三輪車やリハビリの道具を作る資金の一部となります。 |
作業所のほかに手漕ぎ三輪車を必要とする人に三輪車を寄付したり、ハンセン氏病の人達が隔離されていた村への援助も行っているとのこと。資金は作業所のわずかな売り上げの他、各宗教の教会やお金持ちからの寄付、イギリス等外国の大きな援助団体からの寄付でまかなわれているとのこと。イギリスからボランティアが来て何年間か車椅子の作り方やミシンなどの女性活動の指導に当たっていたこともあるとのこと。体が不自由でも早いうちに手当てをすれば、後々少しは楽に生活ができることもあるので、子供たちにリハビリを受けさせたいとカリムさんは夢を語っていた。出来ればリハビリのボランティアがほしいと。私はその事を協力隊の報告書に写真つきで事務所に提出し、その後事務所の人も調査に来て、理学療法士の協力隊の要請を出すはこびとなった。
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