山の独奏曲

リコーダー 想い出と愉しみ

    
 昨夜の雷雨の後、上空の寒気が入り込んだのか急に涼しい陽気となった。今日は検査のための通院。帰宅後に少し部屋を整理し、小物を片付けようと物入の扉を開けた。そして、覗き込んだ物入奥に、久しく目にすることの無かった串田孫一の「山の独奏曲」を見つけた。

 今迄、 引越の度に思いきって殆どの書籍を処分してきた。しかし、何故かこの本は処分されず、ここに在った。積上げた荷物の間から覗く、背表紙のタイトルを観てあることを想いだした。

 串田さんといえば、私はリコーダーを想い出すのである。随分と昔、もう何十年か前になるだろうか、朝のラジオ放送で串田さんのエッセイを串田さん自身が朗読する番組があった。
 その番組中で朗読の間奏として多くのリコーダーソナタや協奏曲が掛かっていた記憶がある。
 
 

 朝聴くそれらの曲は森の精霊たちの呼び交わす木霊のようにも聴こえ、朗読の中での森を巡る風景と共に心の襞と共鳴し、しばらく、それに聴き入っていた気がする。
 串田さんの想い出に触発され、久しぶりに何枚かのディスクを聴いてみた。
バッサーノやサンマルティーニ、そしてバルサンティ。

 
 
 さて次は、ルィエかヘンデル、それともテレマンのリコーダー・ソナタでも聴いてみようか。         
 



                  

    つ ん
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