ビーナス と コーラ


ビーナスは美の象徴。パリのルーブル美術館から
上野の国立西洋美術館へ ミロのビーナスが来日した。
そこで ・・・   (随分昔の話です)



人間、未知の物を始めて口にした時の印象というものは
人それぞれであろうが、つん の場合幾つかの食べ物や飲物に
印象的な想い出があり、記憶の片隅に焼き込まれている。



ルーブル美術館の古代ギリシャ・ローマ部の収集品であるミロのビーナスは
美の象徴といわれている。その美の女神が日本に来た時なのである。

上野の国立西洋美術館へミロのビーナスを見学に行った。

そのとき、美術館のロビーかどこかで見たことの無い、或るものを見つけた。

 始めて自動販売機というものを見たのも、そこだった気がする。

 その四角い鉄製の箱には瓶詰の、或る飲物が入っていた。
コーラである。生まれて始めて、コーラという飲物を飲んだ。

 つん にとっては一大・・・イベント、だったのである。
(コーラはペ○シ・コーラだったような。また、自販機は今と違い
 ボトルの首の所を横にスライドさせ、脇で牽き抜くとゲートが
 閉じるタイプだったような ・・・、しかし記憶はあまり定かでない。)

 つん にとっては美の女神といわれる、2m程の大理石像と共に初めて飲んだコーラの印象が鮮烈だったのである。

 確か、その翌年だったか、ある所でコーラ を飲んだ。
「ジュ・ジュ・ジュワー・ジュワー」という泡の弾けと
あの独特の風味が口の中に広がると同時に、
ビーナスの面影が つん の瞼に蘇ったのである。
 ところで、ミロのビーナス来日の年は東京〜新大阪間に新幹線が開業した年であり、東京オリンピックが開催された年なのだ。そして、日本は十数年続いた高度経済成長の真っ只中にいた時代なのだ。
今から考えてみると コーラ ってこんな時代を反映して日本中に広まった飲み物なんだなぁ〜 と思うのである。
 つん の場合、未知の物を始めて口にした時の印象というと 「こんな美味しいもの、世の中にあったのか」 等と言うような物は、あまり無く 「何だぁ〜・こ・これは〜」 というものばかりが、記憶に残っているのである。

 あっ・・そうそう、上の文を打ち終わってから思い出した。
再度、コーラを飲んだ所って、映画館だったなぁ 〜 。

印象に残る映画を観た。「サウンド・オブ・ミュージック」である。
ジュリー・アンドリュース主演の大ヒット、ミュージカル映画で
十代半ばの つん にとっても、インパクトのある映画だった。

因みに当時、映画館は二本立て興行だった。
併映されていたのは、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の
「赤い砂漠」でモニカ・ヴィッティが主演だったような ・・・ 。


♪  ド は ドーナツ の ド  
        レ は レモン の レ
 ♪♪



「 ドレミ 」 の歌かぁ 〜 。 懐かし 〜 い 。



    つ ん
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