藪茗荷(ヤブミョウガ)
崖沿いの小道は日中でも木立で覆われ陽射しが遮られている。夏のこの時期、苔むしたこの道を選んで歩くことが多い。
昼前のこの時間、日の翳ったこの道は蜩(ひぐらし)の鳴き声が降りそそいでいる。
崖際から沁みでた水で湿気を感じる小道の脇。今年も白い小花を付けた藪茗荷が咲いていた。
「 竹の根に ほのかな花が咲いてるといふ
まことにほのかな 藪茗荷の花 」 北原白秋