薮山・十和田山に登る


 6月に入った、このところ天気はあまり芳しくない、昨日も雨だった。昨年秋の十和利山登山の後、考えていた十和田三山の残り二山である十和田山か戸来岳に登ろうかと重い腰を上げた。先ずは、十和田湖目指して緑が濃くなり始めた奥入瀬渓流沿いに愛車を急かした。十和田湖畔を走行するようになって、目的地を十和田山に決めた。

バラ園入口
 登山口は宇樽部にあるバラ園・花鳥渓谷の中だ。花鳥渓谷の駐車場に車を止め、入場料を払い登山口を目指すも登山口標識を確認するのに手間取ってしまった。
 薄暗い登山道に入るとブナの巨木に圧倒される。本当にここのブナは立派だ、昨年登った十和利山もブナが立派だったがこちらの方がはるかに勝っている。やがて、傾斜が急になるとともに道に笹が被るようになって歩きにくい。しかしここのブナは素晴らしいなぁ〜などと思いながら歩を進めるうちに薮のため視界がほとんど効かなくなって来た。

山頂から十和田湖を望む

山頂から八甲田山を望む
 登山道の傾斜が更にきつくなると、眼の前の薮漕ぎに加え足元の状況が悪くなってきた。火山土は粘土質で滑りやすくおまけにぬかるんだ泥道である。この道、最近あまり人が入っていないようである。Tシャツが薮の小枝で少し裂けた、伸びきった笹の穂先が目に入り暫く目が開けられなかった。眼鏡を車に置いて来たのは失敗だった。そうこうするうちに不意に山頂に到着である(10:50)。しかしこの山、ず〜と薮だったな。
 十和田湖がよく見える、戸来岳、八甲田山もバッチリである。今年は春に降った黄砂のためか雪解けが進み八甲田の雪も僅かしか見えない。山頂にてオオヤマザクラの花を愛でながらおにぎりの昼飯である。

山頂にて
 山頂で一人静かな時を過ごした後、先ほど登ってきた道を注意しながら下山した。帰りがけに花鳥渓谷の受付で下山報告を出した時、管理人のおばさんと少し話しをした。やはり、ここ数年登山道の手入れはしていないようである。今年、芝刈り隊を募ったが地元ボランティアの人たちが集まらず、東京方面の人たちをあてにしているが、どうなることか・・・などと言っていた。ところで、それにしても、あの時おばさんと一緒にいたワンくん可愛い〜かったなぁ〜 。
 さて、今からちょうど百年前日本で最大の雪山遭難が発生している。1902(明治35)年の冬、陸軍弘前歩兵第31連隊は厳寒の中、宇樽部から十和田山の裾を巻いて進軍し八甲田雪中行軍を成功させていた。しかし、ちょうどそのころ青森市から出発した青森歩兵第5連隊の210名が八甲田の田代平でルートを見失い遭難し199名が凍死した。世に言う、八甲田死の彷徨の悲劇が起こっていたのである。先程まで十和田山の山頂から見ていた、のどかな景色の裏にも、こんな歴史があったと云うことである。遠〜い昔の話である。

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