白神岳を登る


 何時ごろからだろうか、白神岳がメジャーな山になったのは、きっと白神の森が世界遺産に登録されたことに起因するとおもうのだが・・・。

 秋田、青森の県境に位置し日本海に面するこの地域は青森県内に赴任し居住する私の所からも同県内であるにも関わらず随分と時間的に遠い〜のである。

 まず、青森県内を横断して登山口に到る道が無い(悪路の林道走破でならあるけどね・・・)。そこでぐるりと海岸線に沿って海沿いに行くしかないことになり、当然時間もそれなりに掛かるということである。

白神岳登山口

ギンリョウソウ
 当日写真の白神岳登山口に着いたのは下の駐車場に車を置き舗装道を歩いた後の10:10 であった。

 登山道脇の立看板に先々月に向白神岳付近で大規模の林地崩壊が発生と掲示されている。

 「山は生きているかぁ〜 」

 始めのうちは道幅のある登山道を行く。
湿度の高い薄暗い道の傍に不気味なギンリョウソウが見られる。

ブナ林を行く
 なおも進むうちに段々と傾斜も増してきて登山道らしくなってきたが、相変わらず日の射さない湿っぽい道である。登山道脇の水場で喉を潤した後、マテ山分岐を通過する。周辺は徐々にブナ林となってくるがブナの立派さでは十和田山などに比べ少し見劣りするように思う。突然道脇の薮の中からガサガサ・・・の音。熊かと、びっくりして身構えると1人のおじさん、そうそう この時期は竹の子取りで山に入っている人がいるんだ〜、脅かすなよ・・・ほんとにびっくりした。

日本海を眺望する

チシマフウロの群落
 マテ山分岐から少し進むと、泥濘箇所の多い尾根道を行くようになる。所々に朽ちかけた木片などが敷いてあるが歩きにくい。やがて急登である。汗を滴らせて登っていくと、登山道は樹林帯から笹の混じる潅木帯に抜け出た(12:50)。天気も回復してきて、雲の切れ間から眺望する日本海の景観は、今まで見晴らしの無い林間を歩いてきたこともあり感動する。日本海を背に所々に咲く花を見ながら更に急登を続ける。傾斜が緩むと稜線上の大峰分岐に到着、右折し山頂を目指す。左に祠のある箇所の周辺にチシマフウロの群落が見られた。少し進むと下からもよく見えた立派なトイレ(下から見たとき山小屋と間違えていた。それ程立派)と避難小屋があった。トイレ舎に比べ貧弱な小屋の中を覗く、狭いけれど綺麗に整理された室内だった。

避難小屋のバックは向白神岳

白神岳山頂にて
 小屋前を通り13:30 白神岳山頂到着。山頂からは避難小屋の背後に向白神岳、その右奥に岩木山も良く見える。額の汗を拭い、登山道脇の水場から汲んできた水を口に含む。「ゴクリ・・・ゴク・ゴク」何故か全身に白神の精が滲み渡る気がする。ひと休みの後、先ほど登ってきた道を折り返し下山開始、登山口下の大駐車場に帰り着いたのは16:10 過ぎだった。

 ( バスが何台も駐車出来るような大駐車場がこの場所に必要なのか ・・・ ??  本当に残念である。)

帰り着いた駐車場


       山行
一覧