岩手山を登る

紅葉と砂礫道・濃霧の山頂



燃える紅葉の中を行く
秋の3日連休なのである。 ・・・と云うことで、少し遠出して
岩手山まで登りに行きました。

実は岩手山は火山活動のため、ここ数年間入山禁止状態で
登りたくても、登れない山の一つだったのです。
また、今年は10月8日が岩手山の閉山日なので
日程としては今回の山行は滑り込みセーフと言った所でしょうか。

6時に出発して八戸より東北自動車道を直走ってきたが
登山口となる国際交流村の駐車場に着いたのは9時半近くなっていました。

今回は幾つかある岩手山の登山道の中から焼走りコースを選んで登って
こようと云うのである。9:40 登山開始。空に雲は浮かぶものの、
天気はまずまずの様である。

下界を眺望する
焼走りコースは国の天然記念物でもある
焼走り溶岩流に沿って登山道が
付けられている。登山道に入ると今が
盛りと紅葉が つん の目を楽しましてくれる。

はじめは、黒礫の溶岩流を左に
垣間見ながら歩を進める。
やがて三歩進んで二歩後退
するような、歩き難い火山性の砂礫道となり
時々休憩を取りながら登っていく。
砂礫道で杖を頼りに息を整えて休憩。
下界の展望が清々しい。見上げれば
頂稜に到る荒涼とした斜面の所々
秋枯れの草木が美しい。

急登途中で2つの噴火口を越し
小広く開けたツルハシノ分レに至る。
更に三十六童子の岩塊前から左へ
急登し、ハイマツ帯に出る。

平坦地を僅かに進んだ後、再び
礫斜面を登る。ここで、下山途中の
外人さんに声を掛けられる。

頂稜を仰ぎ見る

濃霧の山頂で

山頂の地蔵
咄嗟のことでドキドキしながら手話交じりで挨拶する つん なのである。

更に歩き難い道を行く。つん は当日この焼走りコースを登った登山者の末尾に
いた様な気がする。途中で数組の下山者には会ったが私の後を追ってあがってくる
人影は見えなかった。やがて、高度が上がり急速に雲行きが怪しくなって来た。

そして、御鉢と呼ばれる頂上の一角でもある火口縁にとびでた。
標識に従い左折し濃霧となった火口縁をしばらく進むと岩手山山頂である。

濃霧の中に山頂は在った。先程から時折、ミゾレ雑じりの氷雨も降りだし
視界は全く効かない。山頂の御地蔵様も寒そうに、そこに佇んでいた。


 

登り来た道を下った。下りかえし見返る岩手山は再び青空の中に聳えていたが
山頂部には雲がかかっていた。黄昏の中、道を急ぎ登山口である国際交流村の
駐車場に帰着して愛車に再会したのは夕方五時前だった。

久しぶりに山登りらしい歩きが出来た一日だった。


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