吹越烏帽子岳は花の山
モミジイチゴも熟れて |
モミジイチゴを摘みながら 登山道を辿っていく。 寒がりの木イチゴが自生で結実して いる場所としては、ここ辺りが最北の 地になるのではないのだろうか ・・・。 七月中旬の山道 朝の十時過ぎである。 頭上から木漏れ日の射す中 吹越烏帽子岳山頂を 目指しているのである。 |
吹越烏帽子岳は今回が 八度目の山歩きになる。 この時間だと昼前には 自分の部屋に戻れそうだ。 10:30 目の前が急に明るくなって 林が切れた。 陽を浴び白い花が咲いている。 エゾノヨロイグサだろうか。 花には蜜の香を求め 花アブが群がっている。 |
白い花にアブ群る |
ウツボグサ咲く |
小広く開けた斜面はウツボグサの 花盛りである。 上北の地に在るこの山、 戦前は放牧地だったそうだ。 太平洋岸から吹き込むヤマセと 呼ばれる寒冷風等のため 500m程の 標高にも関わらずここから上は 風衝帯の様相を成している。 |
見上げる吹越烏帽子岳の頂稜。 右稜線部に1〜2m程の草丈の 茎が林立しているのが望める。 登山道脇に腰を降ろし、 先程摘んできたイチゴを 口の中に放り込む。 甘酸っぱい味と野生の香りが 口いっぱいに広がった。 |
吹越烏帽子岳の頂稜を望む |
ミヤコグサ・鮮やかな黄 |
重い腰を上げ、再び登り続ける。 天気も良く、気温も上がってきた 様だ。風衝帯を渡ってくる風が ここちよい。 道端には鮮やかな黄色の花、 ミヤコグサが咲いている。 |
しかし吹越烏帽子岳という山、本当に 花の種類の多い山だなぁ〜。 つん がこの山で何年ぶりかで観た 花や、数十年ぶりに再会した草も 多いのである。 おぉ〜と危ない、キバナカワラマツバが 登山道を覆って咲いている。 踏み潰しそうになった。 |
道を覆う キバナカワラマツバ |
ムシャリンドウ |
更に登山道を辿り、日当たりの良い 草地の中にムシャリンドウを見つけた。 花はミソガワソウやラショウモンカズラ など他のシソ科の花に似ている。 子供のころサルビアの花の蜜を 吸ったことを思い出し、萎れかかった 花を摘み取って吸ってみた。 |
たまげたぁ〜、 思いがけない量の蜜が出てきた。 まもなく山頂である。アヤメ咲く 頂上直下の草地を登り、 鳥居と祠の在る吹越烏帽子岳山頂に 到着したのはまだ11時前だった。 |
山頂にて |
陸奥湾の海岸線を俯瞰する |
タオルで汗を拭い、ペットボトルの 緑茶を飲みほす。青空が広がっている。 山頂より360度の眺望を楽しむ。 下北方面の山々、太平洋、そして 陸奥湾岸の海岸線も綺麗に見える。 アヤメは山頂にも咲いていた。 |
送電線鉄塔脇の林道に下りて 来たのは11:20頃だった。 樹林帯から明るい林道に飛び出すと、 道脇にオカトラノオの花が満開である。 白い尻尾の様なオカトラノオの花穂には 虹色に輝く小さな小さな 羽虫がとまっていた。 |
オカトラノオの花穂 |
林道脇のノリウツギ |
な、なんだって・・・ |
道端にノリウツギ咲く林道を歩き、登山口に停めた愛車に再会したのは、11時半過ぎだった。登山口傍の立て看板には林道の一般通行禁止の掲示があった。 曰く、国有林の専用林道ですから、許可なく車両や歩行者の通行を禁止します。 なぬ〜〜無許可で10分も歩いてしまったぞぉ〜 どうする。 |
さて、今回の山歩きで見たキバナカワラマツバ。 登山道を覆うように生えていたキバナカワラマツバ、 つん が昔、故郷でよく見たヤエムグラの仲間だ。 広瀬川の河原で小学生の つん の足に絡まって 痛い思いをしたことのあるヤエムグラ。 薄緑の角張った茎がヒョロヒョロと伸び、 下向きに刺が生えて、生繁っていた記憶がある。 キバナカワラマツバは刺に代って、軟らかな毛が生えているせいか 花のついた姿は妙な表現だが、ヒョロヒョロ・ホンワカ という風情だったのである。 |