残雪踏んで吹越烏帽子岳



一人 林間を行く
 8時50分 吹越烏帽子岳の登山口に到着。身支度をして 9時に歩き始めた。始めのうちは平坦な赤松林を行く。徐々に傾斜が増しブナを主にした雑木林となる。

 時々太腿辺りまでズボッとくるが、木々の根元からは青森の春の息吹を感じる。トレースの無い真白な雪面に自分の足跡を刻むのは気持ちのいいものだ。
 もっともこの時期、下北半島のほぼ中央に位置するこの山に入山するもの好きはあまりいないと思うが ・・・。
 のんびりゆっくり歩いて10時半ごろ森林限界に到る。
 今日は久しぶりに天気も良く、この地点より陸奥湾を隔てて野辺地〜青森方面に八甲田、対岸に津軽半島の山並、また北方むつ市方向に目を向ければ釜臥山の眺望が素晴らしい。紺碧の陸奥湾と日を受けてキラキラと輝く太平洋を交互に見ながらしばしの休憩。
 昨年12月初め、山頂からここまで一人吹雪の中、難儀しながら下山したことが思い出される。太平洋と陸奥湾に挟まれた、この地域にある山は風あたりが強く、特に冬季は強風が吹き荒れる山である。しかし今日は、あの時と違い穏やかな登山日和だ。

頂稜部を眺望する

鳥居と祠に再会
 いよいよ、山頂直下の急登である。登山道は掘れた溝状になっており、そこに雪が埋まって吹きだまり状態になっている。歩きにくい登山道寄りを避け、岩ザレとのミックスの急傾斜部を行く。日も随分上がり、日差しも強くなって雪も腐っていたが念のためにアイゼンを着けガシガシ登攀する。11時 山頂到着、再会した鳥居と祠の周辺は雪も溶けていた。
 下りは自分のトレースを忠実に踏んで戻り山行を終了した。
 今回は無雪期の倍以上の時間を掛け上北の海・山の眺望を楽しみながらののんびりゆっくり山行だった。


吹越烏帽子岳 山頂より北方を望む

         山行
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