初冬の吹越烏帽子岳を登る
ここ、青森の上北では先月の10日過ぎから 小雪の舞う日も何日かあった。そして、20日過ぎには 吹雪模様になる日もあり、冬の到来を告げていた。 |
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寒々とした登山口に到着 |
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師走に入ったこの日の朝、吹越烏帽子岳の登山口に つん は立っていた。先程まで慎重に四駆をドライブし 林道脇の駐車スペースに車を停めたところだったのだ。 つん の車には万一、車が雪道で立ち往生した時の事も考え 深雪からの脱出用具も備えてあるが、この程度の雪では まだ出番は無さそうである。 |
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山道を行く(中央に獣の足跡が・・) |
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車を風除けにして登山装備を身に着け登山道に入った。 登山道はフカフカの雪で覆われている。 師走の土曜日の朝、それも下北半島中央部に位置する 無名に近いこの山に入る人は マズ いないのである。 暫らく進むうちに奇妙なことに気がついた。道の真ん中に 人にしては小振りな足跡が付いているのである。 誰も先行者などいる可能性は無いのである。 獣か ・・・ ? その足跡を目で追いながら進むうちに"ハッ"と気がついた。 足跡は暫らく道の中央部にトレースを描いた後、必ず道脇の 木立の根元に近づき再び道の中央部に戻るよう付いている。 「あぁ〜」これは何か獣の足跡なのだ。しかし、それにしても 獣の足跡にしては随分と大きな奴に違いないなぁ〜。 |
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初冬の吹越烏帽子岳 |
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樹林帯を抜け出すと陸奥湾を渡って吹きこむ寒風が 肌を刺すようになってきた。山頂部を見仰ぐと雪煙が上がっている。 夏道沿いに頂稜を目指し登ってゆく。残念だがこの天気では 稜線からの展望は全く期待できない。足元を見詰め登って行く。 |
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山頂にて |
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荒涼とした風景の中に初冬の頂は在った。 春から夏のうち、あれだけ山稜を賑やかに、あるいは ひっそりと飾った花々も今は全て枯れ果て雪の下に 静かに ・・・ 静かに眠っているのである。 風が強い。寒さが身にしみる。 山頂の祠の裏に回り込み苦労してバーナーに点火した。 しかし、湯の沸騰を待つ間もなく吹越烏帽子の山稜には 強風もろとも雪が吹きつけるようになってきたのである。 |