晩夏・花の山
夏の終わりの吹越烏帽子岳
二か月ぶりの吹越烏帽子岳である。あの時白い花が満開だったムシカリの木もすでに実がつき赤く色付きはじめている。 森を抜け出た。今日は天気が良い上に、まだ八月なかば過ぎだと云うのに風が涼しい。このぶんだと、山頂から360°の大展望が期待できる。 涼風を受け山道を辿っているとザレた斜面に赤く色づく物が視野に入った。いちごである。葉まで赤紫色に染まったエビガライチゴ(ウラジロイチゴ)だ。 |
紅色によく熟れた エビガライチゴ |
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イチゴを摘もうとしたら、がく裏の線毛が つん の指先に粘りついた。 「甘〜〜い」 晩夏の陽射を浴びた完熟のいちごはとても甘く、そして少し温かった。 草原の花たちは秋の準備をしているようだ。 タチギボウシの花が力なく萎れかかって咲いている。 そして、アキノキリンソウが眼を引く。 |
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オオアキノキリンソウ・・・か |
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ここに咲くアキノキリンソウ、花が多数密集して咲いていることから普段よくみるアキノキリンソウではなく、オオアキノキリンソウ(オクコガネギク)だろうか。 山頂が近くなる。ススキの穂先が風に揺れている。振り返りみると素晴らしい展望である。野辺地湾右奥から八甲田まで続く山並。そして、陸奥湾岸沿いに北方に眼をやれば、大湊湾から左手に湾曲した下北半島の海岸線上に釜臥山が海から浮かんで見える。 辿りついた夏の終わりの吹越烏帽子岳山頂、前回来た時と何か違う雰囲気。 はて、何だろう ・・・ 。 アッ ・・・ そうか。 この二か月の間に山頂に奉られた祠や鳥居が真新しくなっていた。 |