涸沢岳・奥穂高岳

雪はたっぷり



梓川の河原も雪の原

横尾を目指す

山稜に朝の陽(横尾)
(第一日目)

今年は例年になく雪が多いようだ。
釜トンネルを抜け上高地に入ると
山肌の雪の多さが目についた。

明神を抜け徳沢を
過ぎるころになると
梓川の河原もほぼ雪の原
状態となっていた。
(第二日目)

横尾から見あげる前穂の峰にも
朝日が射し込んで来た。

左手に屏風岩を観ながら
横尾谷に入って行く。

屏風岩を観ながら
やはり雪の量が多い。谷を埋め尽くした雪のため
夏道は完全に覆われている。

見上げる北穂高岳が少しずつ大きくなってきた。

涸沢めざして

デブリの張出しも多いようだ
だんだん傾斜も増してくる。
所々に雪崩の痕跡を示すデブリも
目につくようになって来た。

大晴天の中、涸沢を目指し進む。
しかし、この陽射しでは
日焼けに注意しないと。
いやぁ〜 やっと、涸沢に到着だ。
奥穂にも北穂にも雪が
ドッカリと付いている。

今日はまだ、ゴールデン・ウィーク
二日目のためか、涸沢・テント村の
テント数も例年に比べ少ないようだ。

涸 沢 だぁ〜

コルを見上げる
(第三日目)

早朝の時間帯のため雪も締まって
雪崩の心配も少ないため
小豆沢を直登する。

やはり、ザイテングラードの夏道
より効率よく高度を稼げる。

涸沢のヒュッテが見える
天気も良く最高の気分。

登攀の途中で返り観る涸沢カール底のヒュッテもテント場も
箱庭のようにみえる。

視線を上げると屏風の頭が、そしてその左奥には常念岳が綺麗だ。
雪の白さが眼に沁みる。

雪中から現れたゴジラの
背のような前穂北尾根の
峰々を左手に観ながら
白出のコルを目指す。

前穂高北尾根

白出のコル到着
コルは近くに見えているのに
なかなか着かない

喘ぎながら、ようやく
涸沢を登りきり
白出のコルに到着。

そこには、雪中から掘出された
状態の穂高岳山荘が
手持ち無沙汰の
顔をして待っていた。

小屋前で暫しの休憩の後、
先ずは涸沢岳を目指す。

涸沢岳 山頂にて

涸沢岳はあっというまに登りきった。コルに立つ穂高岳山荘の赤屋根も
今は足下にある。奥穂のその先にはロバの耳そしてジャンダルムの
雄姿も見え素晴らしい展望だ。

北方に目を転ずれば北穂高からキレットを越え槍ヶ岳まで続く雪稜が
望める。本当に四方見飽きることの無い大パノラマを展開してくれている。

北穂から槍まで好展望
涸沢岳からは特急でコルに戻った。

これから、奥穂を登る前に山荘で
コーヒーを頂こうと思っていたのだ。

薄暗い山荘の中に入った途端 ・・
これは ・・・ 
バッハの無伴奏チェロ・ソナタの
旋律が耳に入ったのである。

ひと際、美味しいコーヒーを頂いた。

コーヒーをいただこう

奥穂・山頂は目前
先ずは山荘の左手にある
鉄梯子を登り雪稜を行く。

急な雪壁をアイゼンを
効かせてズンズン登って行く。

そして、左に曲がれば
奥穂高岳の山頂は目前だ。

ジヤンダルムを背に

奥穂高岳の山頂を踏む。ジヤンダルムにも沢山雪が付いていて
とても綺麗だ。笠ケ岳や飛騨の山並も当然の様にそこにあった。

雪稜にて (バックは前穂の峰々)

稜線から眺める展望をもう少し楽しもうと思い、
前穂高へ向う吊尾根側に少し下りた。
雪稜を歩き回り見飽きぬ景観を目に焼付けた。




(第四日目)<最終日>には涸沢を下り
上高地までの長い道のりを下り帰し帰途に着いた。


   あの日の山