正月休みは甲斐駒ケ岳・仙丈ケ岳で |
正月休みは仙水小屋をベースに甲斐駒ケ岳と 仙丈ケ岳を登ってこようと夜行で出掛けた。 明け方、伊那市駅からタクシーで戸台に着き戸台川の川岸を登ってきた。 八丁坂の急登を終え、林道を横断して大平山荘前を通過し北沢峠に出た。 何故かこの辺りの林道は除雪されていた。 |
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北沢長衛小屋のテント場 |
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長衛荘から北沢長衛小屋まで除雪され凍結状態となっている林道を歩く。 北沢長衛小屋前のテン場を通過する。 天幕の数は20張程であろうか。露営地の奥には仙丈ケ岳が望める。 小橋を渡り北沢沿いに登って行くと、今晩より御世話になる仙水小屋の前に出た。 |
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仙水峠少し上より見る駒ケ岳 |
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大晦日は夜明け前に小屋を出て、仙水峠で夜明けを待った。 天気は上々である。おまけに寒さも余り感じない陽気である。 先ずは駒津峰を目指し登っていく。積雪量は 程々で気持ち好く高度を稼いで行く。 |
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駒津峰にて甲斐駒をバックに |
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辿り着いた駒津峰から、薄っすら雪を纏った駒ケ岳が近く大きく迫ってきた。 駒津峰を越え六万石を目指す。 |
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駒津峰を越え 返り見る仙丈ケ岳(中央奥) |
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振り返り見ると仙丈ケ岳が綺麗だ。 痩せ尾根を通過し仰ぎ見る駒津峰も 趣のある姿で聳えている。 まもなく、頭上に駒ケ岳の聳え立つ 六万石の分岐に到着した。 |
越来た山稜を望む |
六万石の分岐 |
ここより山頂目指して直登する。 岩と雪のミックスした登攀となる。 途中で一度アイゼンが岩を噛んで しまい嫌な思いをした。 甲斐駒ケ岳 山頂到着、 雪は少なく頂上周辺は地肌が 露出している箇所も多い。 |
それにしても素晴らしい展望である。 北岳、仙丈ケ岳、他南アルプスの秀峰の 数々そして鳳凰三山の後方には富士山も 顔を覗かせている。 しかし大晦日と云うのに、妙に暖かい。 本当に変な陽気である。 |
甲斐駒ケ岳 山頂にて |
仙丈ケ岳・四合目 |
大晦日の昨夜は小屋で大いに 盛り上がった。食事よし、 酒よしの最高の年越しだった。 そして私も、また一つ歳を取った。 明けて元日の朝も空の明るくなるのを 待ちきれず小屋を出た。 樹林帯の登りで夜が明けた。 |
左に観る小仙丈カールが素晴らしい |
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小仙丈ケ岳にて |
森林限界を越え更に登り続ける。 背後には甲斐駒ケ岳を中心とした 展望が広がっている。 小仙丈ケ岳を目指して進む。 美しいカールに、 しばし見惚れてしまう。 あの遥か中央奥の頂が、 これより目指す仙丈ケ岳なのだ。 |
小仙丈ケ岳に辿り着く、これより先は雪稜歩きとなり注意して行く。 左手に見えていた北岳と、こちらも同じ高みとなり 指呼の間だ。そして、北岳の左奥には富士山の姿も見える。 |
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北岳も指呼の間だ (左肩には富士も顔を覗かせている) |
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いったん鞍部へ下る。 右手の藪沢カールの最奥に聳え立つ 仙丈ケ岳の頂もハッキリ視認できるようになってきた。 再びアイゼンを効かせ急登する。 尾根に上がりつき先に進む。 先程から風のため頂稜部には雪煙が上がっている。 ゾクッとする。何とも云えない景観である。 |
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山頂直下より藪沢カール(左)と登り来た縦走路を俯瞰 |
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山頂を踏む |
やがて尾根の中腹を行くようになる。 時々立ち止まり息を整える。 風のため体が振られる。思い切り ピッケルを打ち込み確保する。 雪面を喘ぎながら登ると ナイフリッジ状の尾根となり、 いよいよ山頂である。 仙丈ケ岳 山頂を踏む。 360°の大パノラマ 今年も元日の誕生日を山頂で迎えた つん なのである。 |
元日の夕刻から、徐々に天気は悪くなり正月二日の 朝には小雪が舞っていた。 戸台川の河原をのんびり歩いて下山した。 前回、雪の仙丈ケ岳を歩いたのは確か’92年の四月のことである。 あの時は伊那北の駅からバスで戸台に入ったが、体調が優れず 小仙丈ケ岳を目前にして撤退したことが思い出される。 |