次郎笈・剣山の詩
(1955m)  2000.8.6
剣山
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台風9号 迷走で 危ぶまれしが 事もなく
二十年来 ()(こし)は ご無沙汰長く 久しぶり
一宇(いちう)村道 閑散(かんさん)で 車一台 会ったきり
ところが山の 広場には 県外ナンバー 埋め尽くす
大阪からの バスツアー キレンゲショウマ 見に来たと
宮尾登美子の 「天涯の花」 紹介されて 有名に 
珠子(たまこ)身をかえ この山に (まぼろし)住むと 伝え聞く
世界的にも 稀少なる ラッパの黄色い 花という
この山にのみ 群生と 聞けば見たくも なるものよ
向こうに次郎笈
ブナの林を 行く我等 日差しも次第に 暑くなる
笹の向こうに 鎮座(ちんざ)せる 次郎笈(じろうぎゅう)が 見えてくる
西島駅は リフトから 登った人が (にぎ)やかに
ここから道は 三つ又で 右手の(ゆる)い 坂を行く
花を見るのと 名水を ()みに来たのと 言う女
たった一人で 連れもなく 目立たぬ装い していたな
白いうなじに 黒髪の 姿何時(いつ)しか 消えていた
登山靴
剣
水場を過ぎて 細い道 紫色の くがい(そう)
花房ゆれて 招いてる お()でお出でと 招いてる
山まだ春か (うぐいす)が 深山(みやま)にこもり 鳴く歌は
もうすぐ秋だと 歌ってる 秋は山から やって来る
「夏去るや 剣山(つるぎ)の鴬 声(さび)し」
ブナの茂れる 谷間過ぎ 次郎笈の 全貌(ぜんぼう)
「次郎笈 赤や黄色の 人の列」
次郎笈の頂上で
剣山の山頂
予定の2時間 30分 少し早目に 到着す
塔の丸や 矢筈(やはず)山 三嶺(みうね)は西に 道続く
剣山への 笹の道 稜線(つな)ぐ 一直線 
ウバガ谷から 吹き上げる 風も途絶えて 暑さ増す
剣山への笹の道
登ってみれば 人の群れ 熊笹(くまざさ)踏むなと 板はしご
鉄塔の陰 三人で 弁当開き かきこめり
日本百名山(ひゃくさん) 名をつらぬ 剣山頂 制覇せり
山小屋ヒュツテと 雲海荘 いつか泊まって みたいもの
下から昇る 旭日(きょくじつ)を カメラに納めりゃ いいだろな
帰りに 一目キレンゲを 探して坂を 下りけん
ところが道を 間違えて まっさかさまの 綱渡り
降りた所は 滝のある 信者修行の 場所だった
キレンゲ嬢は どちらかな 茂れる森を さ迷える
坂を登って 辿り着き やっとの思い お目通り
珠子守りし この花は 気品(ただよ)い 水みずし
高ぶる気持ち 冷水で 頭と喉を (うるお)せり
群生地から 西島は 近くでリフト すぐそこだ
西陽浴びつつ 来た道を てくてく降る 剣山
「名水を ()みに来たのは 珠子かも」
キレンゲショウマ
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