塔の丸の詩
(1713m)  2005.1.28
右上に塔の丸
塔の丸への 坂道は 七つのヘアピン 越えて行く
チエンつけてる 車あり いずれ何処かで つけないと
第四ヘアピン 雪深く 後から追いつく 若者の
急ぐ車に 道譲り たびたび車 尻ふるが
登りだからと たかくくり チエン着けずに 進みけり

ガードレールに 固まりて 岩となりたる 雪の壁
ブルトーザーの 雪かきも スキー場にて 終わってる
それから先は 新雪を 踏んだタイヤの 跡がない
それでもチエン つけぬまま 何回ヒヤリ したことか
夫婦池まで あと少し ナビを(に ら)んで こわごわと
丸笹山の 駐車場 徳島ナンバー 一台だ
資料館や 喫茶店 雪に埋もれて 眠ってる
春には蒼き 水貯める 夫婦池には 氷はる
木の影がブラインドをつくる
塔の丸登山口
塔の丸山 登山口 結構雪も 深そうだ
俺達夫婦 以外には 人の登った 気配なし
兎の跳んだ 足跡が 茂みの中に 消えている
北の斜面は 雪深く 雑木林の 枝茂る
スキー場から 音楽が ちぎれちぎれて 風に乗る
スポンジシートに 腰下ろし 幾たび休み 取ったっけ
兎の足跡
剣山
丸石
ようやく開けた 稜線(りょ うせん)に 剣 山(つるぎ)次 郎笈(じろう)と  丸石が
谷の向こうで 仁王立ち ここまで来いと 呼んでるが
ここら辺りが 限界か 見上げる高さ 塔の丸
少し疲れて 雪の上 大の字になり 一休み
燦燦(さ んさん)と照る 太陽で キラキラ光る 雪の精
(ま ばゆ)いばかりの 宝石を そこら一面 敷き詰めて
数枚写真も 撮ったけど ナイスショットが 撮れてない
そろそろ12時 腹もヘリ 雪踏み固め 腰おろす
自家製ふりかけ 握りめし 鮭の塩焼き 定番だ
自分で作った 弁当を 満足そうに 食べている
お腹満たした かなちゃんが 山に向って 叫んだら
「次 郎笈 返事にウインク したみたい」
「私がつくったお弁当は最高! 毎回これを食べるあなたは、幸せものなんですからね」
一歩横道 ()れ たなら 腰まで入り 動けない
遅くなったら 道凍る 早目の下山 先急ぐ
やけにカメラが 重くなり 10歩進んで 休みけり
ペットボトルも (か ら)になる 雪を何回 食っただろ
まるで赤星山(あ かぼし) 案内の 犬と同じと 苦笑する
駐車場まで 重い足 引き()り ながら 辿(たど)り つく
2時を過ぎると 山陰は 早くも凍り 始めてる
鉄のチエンは ハンドルが ガタガタドンドン 踊りける
滑り出したら 止まらない カーブが怖い 下り坂
どうも体調 おかしいな 犬ではないが 鼻乾く
美馬(み ま)で運転 交代し 琴南町の 道の駅
あわててトイレ かけこめる その後悪寒(お かん)で 震えだし
先を急いで 家に着き ともかく熱を 計りける
39度2分 驚いて 着の身着のまま 病院へ
土曜で7時 過ぎてたが 美人の女医は 病名を
ロタウイルスと 告げにけり 水分取れと 念押さる
ポカリスエット 買い込んで 震えながらも 呑みにけり
一時間おき トイレへと 眠る間も無く 夜が明け
「塔 の丸 ロタウイルスが みやげなり」
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