天狗塚の詩
(1812m)  2003.10.25
天狗塚から望む
麓の紅葉
アド渕からの 入り口が 判らず一度 引き返す
祖谷(いや)渓谷の 道沿いは 人影もなき 静寂さ
我等の前を 横切って 大きな尻尾 ゆさゆさと
あの雌リスは もしかして 天狗の手下 偵察に
 「迷子さん やっと来たわと 横目で見」
天狗塚付近の地図
→Yahoo Map
登山口には  7台も  早くも来てる 県外車 
山口からの  軽四は  ワゴンで中は 寝室だ
「明日は何処(どこ)へ」と 尋ねれば 東赤石 行くと言う
山に()かれた この男  日本国中 旅がらす
上着脱ぎかけ ダケカンバ 見てよ見てよと 立って居る
川辺の花
落合峠は 谷向かい
車が2台 見えている
西の烏帽子山(えぼし)か 寒峰(かんぽう)
それとも矢筈山(やはず) 登ったか
3年前の この季節
霧の矢筈で ずぶ濡れに
ピチャピチャ キュッキュ 歩くたび
(くつ)は音楽 奏でたり
さんざん()りて 装備した
ゴアテックスの カッパ・靴
一休み
熊笹の背も 低くなり 少し汗ばみ 風入れる
水で削られ 登山道  V字の溝は 滑りそう
日陰で光る 霜柱 土も一緒に 持ちあげて
 「赤土を 食って(こえ)れる 霜柱」
やっと見えだす 稜線の 天狗塚には もう誰か
我ら5人は どたばたで 初めて登山 Fさんは
たびたび倒れる 笹の上 固く張る足 ()でている
いざり峠に やっと着く 東に三嶺(みうね) すぐ近く
熊笹の道
目指す天狗を 仰ぎ見て もう一息と 立ちあがる
裾野(すその)に広がる (ささ)原野 誰が付けてか 牛の背と
笹に攻められ こめつつじ 必死で陣を 守ってる
吹き上げて来る 谷風に 地に伏し峰に (こうべ)向け
 「褐色(かっしょく)に 肌を焦がせる こめつつじ」
あえぐ悪路の 急斜面 登り詰めたら 頂上だ
石鎚連峰 幾重にも 東は剣山(つるぎ) 次郎笈
西熊渓谷 紅葉が 色鮮やかに 谷染めて
澄み渡りける 大空に ゆったり浮かぶ 白い雲
天狗塚とは もしかして 剣山(つるぎ)の天狗の 昼寝場所?
 「長閑(のどか)なる この安らぎを 貴方にも」
下山は朝の 霜柱 ほどよく解けて すべり台
みんなのお尻 泥んこだ 我は背中で 着地せり
そう簡単に 帰さぬぞ 後ろで天狗が 笑いおり
小歩危(こぼけ)温泉 湯につかる 体重ひとつも 変わらない
野郎ばかりの 山登り 今日も一日 大笑い
頂上のプレート
頂上から紅葉の山々を望む
いざり峠で記念撮影
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