笹ケ峰の詩
(1860m) 2003.12.20


この冬一の 寒気団 電線(うな)り 雪は舞う
真の怖さを 知らぬゆえ 行けるとこまで やってみる
笹ケ峰への 道しるべ うっかり見落とし 通りすぎ
下津池より 林道に 橋を渡って 行くほどに
白きジュウタン 一面に 雄きじ跳んで 雪が舞う

天狗塚では 雌リスが 大きな尻尾 ゆさゆさと
いつもどの山 登っても 何かが迎えて くれている
登山口には 我等のみ 悪天候に 誰も来ず
登りかかって 西側に 木立の向こう 吉居川
黒い岩肌 滑りたる 小さな滝が 音立てて
 「さらさらと 奏でる曲の 心地よさ」
小さな滝
雪絶え間無く 降り続き 霧氷樹氷の 花盛り
雪山初めて Fさんは 歓歎の声 幾たびか
案じていた程 風ないが −6℃ やっぱりな
丸山荘の 山小屋(こや)までは 登り登れど 道遠く
雪も次第に 深くなり 何回休み とったっけ
休息のたび 8人が あんパン・チーズ ドリンクに
ソーセージから ゆで卵 チョコレートや みかんなど
すっかりお腹 満腹で 次から弁当 要らないか
丸山荘
丸山荘は 二階建て まるで校舎を 思わせる
雪に閉ざされ 冬眠で 軒下借りて 一休み
霧氷樹氷の トンネルが 次第に低い 笹となり
坂は益々 急になる 右に左に 折れ曲がる
谷から風が 吹き上げて 顔を叩いて 飛ぶアラレ
20メートル くだらない 吹雪地を舐め 地を揺する
気温マイナス 14℃ 視界も悪く 大荒れに
ペットポトルも 凍りつき 眉毛顎鬚(あごひげ) 霧氷つき
もしも滑って 動けなく なれば凍死と 背な合わせ
進むべきか 止むべきか 一瞬迷い 思案せり
霧氷の顔
  
一歩に命 かかってる 吹雪益々 強くなり
寒風山への 従走路 標識ちらり 目にはいる
ひと足ひと足 踏みしめて 汗だくとなり 頂上に
天候良ければ 瓶ケ森 赤石連峰 眺むれど
記念写真を やっと撮り 風を(さえぎ)る 場所もなく
汗を冷やさず 大急ぎ 弁当開かず 下山する
一面広がる こめつつじ 雪を枕に 眠ってる

 「また一つ 話題つくりし 笹ケ峰」
吹雪を行く決死隊
記念撮影
小春日和の笹ケ峰
(たま)さかに 小春日和の 笹ケ峰」
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