西赤石山の詩
(1626m)  2000.7.9
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南の日浦 登山口 登山者名簿(めいぼ) 置いてある
道の作りや 石までも いかにも歴史 感じさす
レンガ造りの 赤い塀 高官接待 (やかた)
広い階段 石垣は 学校跡と 劇場で
生徒三百 居たという 二千も入る 劇場に
春は上方 役者呼び 歌に踊りに 芝居あり
「どよめきが 山にこだまし 夜があける」
苔むした壁
急な登り口
歓喜坑前で
最盛期には 万を越す この山(ひと)を 集めけり
我等三人 黙々と 小足谷ぞい 登りける
元禄(げんろく)大火の 犠牲者は 百と三十 二人出す
明治の時代に 大豪雨 山津波まで 引き起こし
(たけ)り狂いし 土石流 狭きこの谷 埋め尽くす
百二十余の 家を呑み 五百人(ごひゃく)を越える 犠牲だす
今は(こけ)むす 石垣の 水の音さえ 哀れ呼ぶ
道の左右に アカモノが 小さき赤い 実をつけて
地に()うように 連なりて 我等の行く手 飾りける
初めてやっと 掘り当てた 歓喜抗なる 抗口が
昔を今に (とど)むなり 抗口近く 水()み場
(ただ)一本の クチナシが 無言で歴史 語ってた
四十五キロの 銅背負い 幾たびこの坂 登ったか
家族の顔を 思い出し もう一回と 励みたり
鉢巻(はちまき)の 汗が目に染む 塩辛く」
日立に足尾 別子山 日本三大 銅の山
住友の基 築けるか 山は静かに 眠ってる
銅山越えから 頂上は
ひぐらしの声 一時間
浴びてる様に 物(すご)
話し声など 聞こえない
北面樹木(じゅもく) ()い茂り
南面の土 焼け(ただ)
積み重なりし 岩石が
赤石山の 名となりぬ
登山口の標識
春はピンクで 色染める あけぼのつつじ 何処(いづこ)にか
銅山つつじ ツガザクラ これもすっかり 終わってる
淋しかろうと 紫の アザミが我等に 微笑(ほほえ)んだ
今はわたしが もえてるの 紋白蝶(もんしろちょう)も 舞っている
西赤石山
あざみ
一ヶ所だけは 岩のぼり やっと頂上 征服だ
山頂からの 遠望も 北に西条 新居浜が
瀬戸内海の 島々も 遠くかすんで 見えている
東赤石 尾根づたい 赤星山は その向こう
一方南に 目をやれば 平家平や 冠山
笹ヶ峰に 瓶ヶ森 石鎚連峰 (そび)え立つ
乾ける喉を 潤おして 早目の弁当 頬ばれり
女性登山者 多いのか 黄色い声が 風に乗る
北から霧が 湧いてきて 一瞬視界 ゼロとなる
南面日射 ジリジリと レンズとなった 玉の汗
いつしか手の甲 焼いていた こんな経験 初めてだ
山頂の霧
山頂で
下山は二回の 休憩で 三時間を 切っていた
ダイヤモンドの 名水を しっかり飲んで 持ち帰る
道で拾った 溶銅鉱 西赤石山(にしあかいし)の 記念とす
「地底より ざわめき聞こゆ 別子村」
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