三嶺(みうね)の詩
(1893m)  2000.6.4


出窓を(たた)く 音も止み 水無月の朝 白々と
多度津(たどつ)で 連れを 二人乗せ 32号南下する
祖谷(いや)山 谷沿いの 名頃で石の 橋渡る
三嶺(みうね)林道 砂利道は 車の腹を 擦っている
やれやれ着いたと 両手あげ 胸一杯に オゾン吸う

(ひのき)の香り 漂える 丸太小屋にて 一服す
苔むす巨大 ブナの木が 三嶺と白髪山(しらが) 道分ける
くだれば土佐の 白髪山 三嶺は急な 取りつきだ
いつも先頭 露払い 初めて着けた スパッツが
まむし対策 兼ねてるが 土で結構 汚れだす
ピンク色した 山つつじ 春もここまで 登ってる

石の階段
頂上の池
山つつじの斜面
谷渡りする (うぐいす)は 練習不足 下手な鳴き
背が高かった 熊笹(くまざさ)も 次第に低く 成ってきた
二百メートル くだらない 断崖の尾根 足(すく)
徳大医学・高松高 高知商業 若者の
冬山登山 遭難碑(そうなんひ) この景勝に 眠れるか

  「冬山に 散りし若人(わこうど) 安らかに」

頂上近く 池があり ここには魚 居ないかと
後ろで誰か 呟いた 熊笹の水 天の池
崩れかかった 避難小屋 なんとか屋根が 残ってる
曇天なれど 視界よく 高ノ瀬峡に 剣山
石鎚連峰 くっきりと (そび)える姿 神々し
東も西も 北南 見渡す限り 山の波
頂上からの景観
さすが頂上 風もあり 気温八℃にゃ まいりける
一面覆う こめつつじ 花は下旬か 来月か
山に慣れてる 女狐が 口八丁の 物知りで
湿気の多い 苔道に 咲くは可愛い ギンリョウソウ
つがいの鹿も 居ると言う あちこち探し下りける
足跡だけは 見てたけど 猪かいなと 思ってた

記念撮影
半パン半袖 ズック靴 庭に出るよな 格好で
若い夫婦が 登ってき 背中と胸に 二人の子
奥方背負う 女の子 気持ち良さそに 眠ってた
今から山に 連れてくりゃ さぞかし山が 好きになる
それとも山で 授かりて 山の神にも 顔見せか

(ひたい)に流る 玉の汗 ぽたぽた落ちる 赤土に
今から登る 人多く 二百名山 ラッシュかな
寒風山や 瓶ケ森(かめがもり) 同じ四国の 山なれど
三嶺(みうね)は三嶺の 顔がある 次は何処かと 山が()
自分試しの 山登り すっかり山に 取り()かる
山のリストへ MENUに戻る

ホームページ内にある写真や詩の無断転載等を禁止します。Copyright (C) Takeshi Tsugiya All Rights Reserved.