吉六ではない吉六/ぞの(3) 〜杉山神社(鶴見区岸谷)
「おやじ顔」「ゴリラ顔」として有名なこの狛犬。
この台座にも吉六の名があるが…
この狛犬は大好きだ!
狛犬巡り初期の頃に出合ったが、その時の感激は今も忘れられない。
そして問題は、この狛犬を
  いつ、誰が作ったか?ということ。

吽像の台座後部には、左写真のように
    鶴見 石工 飯島吉六
とハッキリ刻まれている。

が、しかし、建立年には
   「再興」の文字が…

この大好きな狛犬…これが吉六だったら嬉しいのだが…
狛犬のタイプとしては、「はじめ」タイプで、明治期よりはずっと古いのではないだろうか。
台座が壊れたか、位置を変えるために、依頼を受けた吉六が台座を新たに作り、据え直したのではないだろうか。
今まで沢山の吉六の狛犬を見てきて、突然、この顔・スタイルの狛犬を作るとはとても思えない。
この狛犬の足座上面には、このような判読できない
文字が刻まれている。
同行八人とあるので、これは八人の名が刻まれているものと思われる。
他に吉六がこのような文字を刻んだものはない。
従って、このことからも吉六の作ではないと思われる。

追記
本紙86号で、山田敏春さんが「狛犬はなし-29」に、この
再興について書いています。
是非、こちらをご覧下さい。


 神社名  杉山神社
 住 所  神奈川県横浜市鶴見区岸谷1-20-61
 石 工  鶴見 石工 飯島吉六
 建立年  明治13年辰12月再興
 奉 納  願主 関口昭知 他15名連記(再興時のもの)
 足座;同行八人…判読不明だが、八人の名(建立時のもの)