吉六ではない吉六/ぞの(2) 〜戸越八幡神社(品川区戸越)
品川区最古の狛犬(延享3年)で有名な戸越八幡神社。
この参道に吉六の名の刻まれた狛犬がいる。
これも吉六狛犬には見えないなぁ…
特に阿像の顔は内藤慶雲等の系譜につながる顔立ち…
吉六の名はあるのだが…
現在、台座に残された銘は左の写真の
ように、ほとんど判読できない。
ただ、2名連記の石工銘の右側を見て下さい。

「鶴」そして、「六」の文字が確認できる。
「鶴見 飯嶋吉六」と刻まれていたのだろう。

しかし、建立年は
明治6癸酉年11月吉日再建之 とある。

更に、足座には
「彫工 ■鳶■■茂■」と記されている。

この狛犬を吉六のものとして記載している資料もある。
しかし、私は吉六の狛犬ではないと考えている。それは…
 ・狛犬そのものに吉六らしさが全くないこと。
 ・再建の石仕事はしたが、狛犬を彫ったのは足座に「彫工」と刻んだ職人であることが
  一般的であること。
この2点による。


この狛犬について山田敏春氏が検証している。
石工銘は 飯嶌幸茂 と読めるとのこと。
詳しくはこちらをご覧下さい
 神社名  戸越八幡神社
 住 所  東京都品川区戸越2-6-23
 石 工  鶴見 飯嶋吉六、南品川 ■■■郎
 彫 工  ■鳶■■茂■ 
 建立年  明治6癸酉年11月吉日再建之