吉六ではない吉六/ぞの(1) 〜若雷神社(港北区新吉田町)
飯嶋吉六の名の刻まれた狛犬17対(2対は銘は無い)を紹介した。
しかし、台座にはその名があるものの、
「その狛犬は吉六ではないでしょう?!」と思われるものもある。
最後のこの項では、そんな狛犬を3対紹介する。
えっえっ…「これが吉六?!」って思いますよねぇ
「鶴見橋 石工 飯嶋吉六」
とハッキリ刻まれています。

この吉六の銘は台座にあり、狛犬の
足座には上の写真のように再建の銘が
ハッキリと読めます。

飯嶋吉六は明治の11代目で途絶えて
いますので、昭和45年ということは
あり得ません。

写真はありませんが、台座には
明治5年壬申正月吉日
と、建立年も刻まれています。

明治5年に建立した願主は
山本海苔店の2代目・山本徳治郎です。

そして、再建したのも山本徳治郎…
山本海苔店は、代々徳治郎の名を襲名
しているそうです。
ちなみに現在は6代目だとか。

神社の方に聞いてみたところ…
「昭和47年に社殿を新築再建しており、その2年前に狛犬だけ新たに作るとは考えられない。狛犬自体は明治5年で、昭和47年の時は台座に据え直したのだろう」
「元々は拝殿の前にあり、平成2年に灯籠を設置するとき現在の位置へ移した」との事。

この言には肯ける部分もあるが、やはりこの狛犬は吉六とは思えない。
明治5年に吉六が作った狛犬が破損したため、建立した山本海苔の何代目かの子孫が再建したのではないだろうか。

 神社名  若雷神社
 住 所  神奈川県横浜市港北区新吉田町
 石 工  鶴見橋 飯嶋吉六
 建立年  明治5年壬申正月吉日/昭和45年9月
 奉 納  願 主 東京室町壱丁目 山本徳治郎 (梅)山本海苔店
 世話人 金子彦右衛門、他3人、他14人
 昭和45年9月吉日 山本徳治郎 再建