伊勢神宮参拝と狛犬の旅〜佐吉ツアー編

上杉先生のご案内で貴重な伊勢神宮参拝を経験させていただき、また、その周辺の狛犬をご案内いただいた1日半でしたが、最後の半日は丹波佐吉の狛犬を廻りました。

2日目(6月9日)、午後からの奈良・丹波佐吉狛犬ツアーのために、予定を少し早めていただき、昼前に宇治山田駅で中締解散。
ここから11名で奈良へと向かう。まずは近鉄特急で橿原神宮駅へ。

駅から徒歩十五分、久米御懸神社が最初の佐吉狛犬。
「作師照信」の銘と花押が刻まれた安政2年の作。
今回見た中では最も古いものだが、なかなかの出来。
円丈師匠の解説を聞きつつ、写真を撮りまくる。


久米御懸神社(奈良県橿原市久米町宮の谷)

駅へ戻り、次を目指すのだが、ここからが問題。
短い時間の中で、どうコースをとり何社廻るか?電車と歩きではあと二社がやっと。
取り敢えず次の目的地に近い結崎駅まで近鉄線で行き、そこからは全てタクシーで廻ることにした。
ところが、この駅前にタクシーがいない!
20分近く待たされ、やっとなんとか…3台のタクシーに分乗。
本格的佐吉コンバットツアーの開始だ。

2社目は下永八幡神社。
安政6年「大坂住 石工 佐吉」の銘。
佐吉狛犬の特徴の一つでもある喉元と首、そして前足の彫りがスッキリと表現されている。

下永八幡神社(奈良県磯城郡川西町下永)

次は一気に斑鳩方面へ。
神岳神社、文久3年で佐吉狛犬では最後の作

神岳神社
(奈良県生駒郡斑鳩町神南4-2)

続いて「佐吉狛犬はいないが、寄って損はない」との師匠の提案で龍田神社へ。
なにわタイプとは言え、メタボリックで表情もとても面白い。
文化4年。寄って良かった!

龍田神社(奈良県斑鳩町龍田1-5-3)

円丈師匠;「狛犬と同じ視線」で狛犬の気持ちを感じる!
 

後ろに見えるのはブロンズのニワトリ!
その口から水が噴き出す!(境内の手水鉢)

佐吉ツアーへ戻って法隆寺近くの素盞鳴社へ。
拝殿と本殿の間で柵があったが、勝手に入らせてもらう。
安政4年、作師照信の銘と花押。
ここで記念撮影。

素盞鳴社(奈良県生駒郡斑鳩町興留東1-8)

そして最後はすぐ近くの阿波神社。
建立年は不明だがこれも作師照信の銘と花押がある。
この最後の2作はともに素晴らしい出来。
「この目が見所、吸い込まれるような目を見て下さい」と円丈師匠の解説も熱を帯びた。

阿波神社(奈良県生駒郡斑鳩町阿波16)

撮影のため、涎掛けをはずさせてもらう。

奥の神殿に、何やら狛犬らしきものが…

橿原神宮駅で降りて橿原神宮へ行かない!
法隆寺の前を通って法隆寺へ行かない!
そんな観光客どこにもいない!
短時間にぎっしり詰まった充実の「石工のゴッホ丹波佐吉」を廻るツアーだった。


2008年 67号より

丹波佐吉の狛犬〜円丈師匠 佐吉を語る」はこちらからどうぞ