あ・うん 斎藤 良夫
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平成21年暮れ、不審火で焼失した空き別荘跡地の片隅に2匹の石彫羊が置かれている。 |
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別荘は昭和5年春、梅林で有名な小田原市曽我谷津の丘陵地に、東京の印刷会社社長・加来金升氏が病気の母のために建てたが、建築中に母親が亡くなったために貸し別荘にした。 |
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「玄関前に朝鮮から来たもので有り又千年も以前の品で有るといふ来歴付きのみかげ石で羊の形に彫刻したものを直す…」。 |
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「羊」について、狛研会員の福田博通氏は、「弘法の教えの羊」「鎮魂の羊」「一代守本尊の羊」(神使のページ・羊の項)があると説明しているが、別荘の<狛羊>の資料は乏しく加来氏の意図は不明だ。 |
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職人日記は、空き別荘になる前の最後の主・林和代さんの著『雄山荘物語』(東京新聞出版局)からの引用だ。 |
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加来金升氏(「雄山荘物語」に掲載されたもの) |
88年 「雄山荘」 |
この別荘が世間の注目を引くようになったのは、太宰治の小説『斜陽』の舞台になったからだ。 虚子は、「大雄山荘」時代に、ここで(当時は曽我村)句会を開いた。 |
現在「寄りあい処こうづ」にて、開設三周年記念として |
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「寄りあい処こうづ」 |