鉄 の 狛 犬 世田谷観音
この狛犬は世田谷区下馬の観音寺山門前に力強く両足を踏まえている。
色合いから一目で鉄製だとわかり、迫力も伝わってくる。

裏に廻ると背に銘文が陽刻されていて年代も途中までは確認できる。
中国製で清国の第四代康煕皇帝(1662〜1722)時代のもの。
「康煕辛未年十月」迄は判別できるが十月以降は欠落している。
この年代は元禄4年(1691)に相当し、当時の中国には素晴らしい鋳物技法があった事になる。

これより年代は下がるが花園神社の狛犬は銅製で文政4年(1821)の村田整岷作、そして成田山新勝寺の狛犬も銅製で嘉永3年(1850)の粉川國信作。
日本の鋳物技術も中国には負けていない。

是非この素晴らしい狛犬を自分の目で確かめていただきたい。

                              大津和弘 2006年2月52号より

追記(2008.3. 阿由葉)
鉄狛犬の迫力はただ者ではありません。
ブロンズとは一線を画した材質の違いが強く伝わってきます。
そしてここは、この狛犬だけではなく、とても魅力的な所です。
日記にも書きましたが、ちょっと面白い文殊菩薩と獅子の像もあります。
何より好きなのは、沢山ある個性的なそれぞれの建物です。

        世田谷山観音寺 通称:「世田谷観音」東京都世田谷区下馬4-9-4


六角堂(不動堂)

観音堂

仁王門の鬼瓦
上の写真…不動明王と八大童子のある六角堂、本尊・聖観音菩薩の観音堂、写真はありませんが阿弥陀堂と全く違った個性あふれる建物は見るだけで楽しくなります。
そして、写真右の仁王門上の鬼瓦…私としてはその頭に止まった鳥(隼?)が気に掛かる…
その他、
三鈷の松、素晴らしい焼き物の恵比寿像、龍の彫刻…
とにかく、ここ全体の有り様がとても好きです。
皆様も、機会があれば是非一度覗いてみて下さい。是非のお勧めです!