狛研(くも)狛犬の寿命は?〜気になる耐震性は如何に〜設置の過程を追いながら |
狛研(くも)狛犬は果たして何年保つのか?
現存する江戸期の狛犬は1600年代からあるが、まぁ1700年代なら古い狛犬として誰もが認めるところであると思う。つまり、2〜300年と言うところか。我らの狛研(くも)狛犬も是非その位は残って欲しいものである。
で、実際のところどうであろうか?現存する古い狛犬は小松石で、そのほとんどが台座が低いか地面に直接置いてあるようなタイプである。
それに比して狛研(くも)狛犬は…石は本小松石であるから心配ないと思われるがが、雲を入れると三段の台座だ。これから必ずや発生するであろう大地震に耐えられるのだろうか? |
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最下部には土台としてミカゲ石(セメントは百年もするとヒビが入って、土台の役を果たさなくなるとのこと)が敷かれて、その上に二つの小松石の根石が置かれている。これは写真のようにカギ型に組み合わされている。
接合材も何もなしにただ単に置かれているだけだ。
しかし、石定さんによるとこのカギ型の組み合わせが驚く程の強さを発揮するとのこと。 |
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そしてその上に二段目のレリーフ台座。
これもただ単に載せてあるだけである。だが、自重と狛犬の重さだけでまず崩れることはないという。
クレーンで運び、慎重に位置決めした所へ設置している。
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その上の雲の足座、これはレリーフ台座に直径12ミリのステンレス棒(写真)でつながれている。
ステンレス棒は後で記す接着剤を使用している。
これはこれで結構心強い気がする。
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そして、一番上の狛犬。
これと雲台座がどうなっているかというと、写真のように、接着剤による接合なのだ。
(足の位置の接着剤が見えています)
どうやら狛研(くも)狛犬の寿命はこの接着剤に全てがかかっている様な気がする。
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この接着剤(クイックメンダー)、石に対して抜群の強度があるとのことだが、なにぶん時間的実績が全くない!
接着剤の歴史はせいぜい数10年。果たして2〜300年も保ってくれるのか?!
狛研(くも)狛犬の寿命はクイックメンダー次第ということなのかもしれない。
(2005年47号より)
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奉納前日夕方、何とか設置完了!
この段階では、台座はまだまだ未完成状態。
何はともあれ、記念撮影。
(写真後左から、三宅・円丈・森田・阿由葉
前左から、綱川・山田)
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