大國魂神社〜五月初午の狛犬 |
大国魂神社の随神門前の狛犬は、府中宿の宿屋である新宿東屋の平吉と
番場宿箱屋の政吉によって奉納されました。 |
|||||||||
|
|
||||||||
|
|||||||||
そこで江戸の情報誌でもある江戸名所図会で大国魂神社の五月の祭事を調べてみました。
大国魂神社の例大祭は4月25日から始まり5月5日には有名な暗闇祭りで最高潮を向かえますが、馬市が5月3日から開かれ、夜には競べ馬(くらべうま)が行われると記されています。 どうやら五月初午は馬市及び競べ馬のある5月3日を指すものと思われます。 競べ馬とは朝廷への献上馬選定の為に馬場で走らせた事から始まったものです。 大坂方と闘った時の家康の愛馬「立黒」はこの馬市から献上されたもので日光東照宮の初代神馬となったという話が伝わっています。
そんな由緒ある馬市も享保年間には江戸に移されて府中宿の馬市は廃止されたてしまいました。 だが馬市の再興は府中宿にとって経済活性化の為の悲願であったらしく、幕府に何度も馬市再興の願いを出しています。 寛政年間には三度目の再興が行われましたが数年で終わっています。 天保元年に四度目の馬市が再興されました。 そして天保十年に馬市再興十周年を記念するかのように狛犬が奉納されたのです。 だがこの年再び馬市は廃止された模様です。安政年間に五度目の再興が行われたがわずか一年で終わっています。 五月初午の銘があるこの狛犬は馬市と関係するものであり、府中市の歴史的文化財と云うべきものです。 参考 「家康公と全国の東照宮」高藤晴俊著、「府中市史」 |