NTTけいわん賃金差別事件
       3・なにが問題か

 
 3人の労災認定後、NTTによる賃金差別を取り上げ追求するなかで、色々な意見が出されている。

 NTTの言い分は、労災認定を認めたくないがためのこじつけにすぎないが、他の人たちの意見は好意的であっても、会社規則を知らないための意見が多い。
 問題が複雑にならにために、ここで項を起こし、何が問題かを明確にしておきたい。


 私たちの運動は、「NTTのVDT労働のありかた」「労災認定のありかた」などをめざしているが、ここで問題としているのは、別個の単純な課題である。
 つまり、「労災認定者の賃金を会社規則にのっとり支給しろ」というものである。
 多くの人が勘違いしているのは、新しい権利を勝ち取る運動と思っていることである。
簡単明瞭な課題、「会社内の他の労災労働者と差別なく、規則を適用して下さい」というものである。「賃金差別」という根拠はここにある。

 第3者から、「見解の相違」「公傷休暇の定義があいまい」などの意見が出されているが、そうした問題ではない。

 「賃金差別」「扱いは不当」という根拠は、会社規則である。会社規則で労災認定者は給与は2割減などと定められていて、これを変えろという要求ではない。見解の違いを争っているのではない。公傷休暇の定義を明確にしろと要求しているのではない。会社規則の該当条文を適用されていないから不当であり、差別だと言っているのである。

 何を問題としているか、

 「労災認定の3人の給与を、会社規則にのっとり差別なく支給されたい。適用すべき規則を具体的に上げるので、適用してない理由を示されたい。」
 「不当だとする3人と組合の言い分に、具体的な会社見解を示されたい」
 問題は、会社がこの言い分に真摯に答えていないことである。