NTTけいわん賃金差別事件
10・公傷休暇はいつ与えられるか

  
 だぶる所があるかもしれぬが、「公傷休暇」について詳細を見てみる。

 前項で述べたように、公傷休暇が出てくるのは労災認定されてからである。
 「業務上」であると決めるのは、労基署長であり、この認定をうけ、就業規則別冊、社員の勤務時間等の規則第6の3(3)により、病気休暇から公傷休暇に切りかえるのである。

 この場合、休暇の申請がいるかどうかである。
 就業規則50条は、休暇を取るには所属長の承認がいるとしているが、健康管理規定による指示の場合はいらないとしている。2人は引き続き病気休暇を取るにつけては、主治医の診断を健康管理医に相談し、その指示に基づき休業していたのであり、2項の必要としないに該当していた。
 労災認定をうけ、規則にいう「病気休暇を取り消し、最初から公傷休暇を付与する」のは会社がしなければならない措置である。
 けいわん障害で病気休暇をとることは、会社の健康管理医も認め、その指示で休んでいるのであり(所属長の承認でなく)、認定をうけその疾病が業務上となれば、今までの病気休暇を公傷休暇に変えるのも申請・承認を必要としないはずである。

 会社は「公傷休暇は休業補償が前提」とも言っている。

 そのような文面は就業規則および別冊の勤務時間等の規則のどこにもない。「業務上と認定された場合は、病気休暇を取り消し、最初から公傷休暇を付与する。」とあるのみである。
 ここの「業務上」が休業補償認定の意味だと言いたいようだが、それは会社の勝手な解釈である。業務上の意味は4項で述べたのでそちらに譲るが、そんな勝手な会社の言い分は通用しない。

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 就業規則)(別冊:社員の勤務時間、週休日及び休暇について)

第44条・社員が業務上負傷し,又は疾病にかかったときは、医師の証明に基づき療養に必要な期間公傷休暇が与えられる。

第50条(1)休暇を受けようとするときは、事前に所属長の承認を受けなければならない。(2)社員が健康管理規定による療養等の指示に基づき勤務しない場合は、前項の規定にかかわらず、所属長の承認を受けることを要しない。

(別冊:社員の勤務時間、週休日及び休暇について)

第6の3(3)・業務上の傷病であると認定された場合は、病気休暇を取り消し、最初から公傷休暇を付与する。