今回は卒論のあらすじを紹介しよう。7/20にBobに確認したが、この
まま進めてみなさいということだった。実際は、もう少し形にならない
と議論ができないのだろう。
卒論は結構大変かもしれない。ネイティブチェックや、調査の時間を
考えると、タイトかな。参考文献は、本15冊、文献80以上もある。
最終的なプレゼンを 9/15に行うことになっている。
■テーマ
ITとBusiness Strategyの融合というテーマで、たぶん日本企業の
ことを調べると思う。
■目的
1.ITとBusiness StrategyのAlignmentに関して、現状を整理する。
2.1で整理した内容で、日本企業のAlignmentについて整理する。
3.最終的に、日本企業へのITブシネスのアプローチ方法を考察する。
■リサーチ方法
1.文献整理
2.チェックリスト作成
3.Annual report調査
4.結果分析・応用
IT - Strategy - Organisation というトライアングルの項目別に文献が
整理できるのではと考えている。そして、各項目を抽出する。例えば、
IT : Internet, Intranet,
E-commerce, ERP, Security, Mobile,
Telecom etc...
Strategy: Porter, Cometence, Fit, Marketing Strategy, Operational Strategy,
Flagship, Uncertainty etc...
Organisation: Change, Top team (CEO/CIO/CKO), Structure, Learning Org.,
Network Org., Flat Org. etc...
そして、Strategy、Organisationの言葉を並べて、ITの観点で結び付ける。
最終的なフレームは既に考えてある。McKinsey 7-S Frameworkを変形
させたものだ。真ん中にITがきて、周りに他の要素がくる。そして、この要素
とITの関係をチェックリストにして、日本企業調査を開始するというシナリオ。
Annual reportを使用して、日本企業のITへの取り組みを分析して、最後に
日本企業へのITビジネスのアプローチを考察する。並行して、違った観点で
質問表を作りたいとも考えている。質問表でうまく回答が得られない場合でも、
さきのAnnual report分析で押し切れるという読みだ。
Annual report を使用した分析例は以下の文献にある。
S.L. Jarvenpaa and B. Ives: Information technology and corporate
strategy: a view form the top, to appear in R.D Galliers, D.E. Leidner
and B.S.H Baker (Eds.)(1999): Strategic Information Management, BH
以下は、調査したい内容です。
■ITをビジネスの中で、どう捕らえているかを調べたい。興味深い文献が
4つある。
1. M.E. Porter (1996): What is Strategy?, Harvard Business Review
Porterはこの論文で、Operational EffectivenessはStrategyではないと
言っている。日本企業は、Operation的にはすばらしいが、Sonyなどを除き、
Strategyは持っていない。
2. H. Mintzberg (1998): Strategy Safari, Prentice Hall
Mintzbergは、Porterの考え方を批評している。Porterは、日本企業にStrategy
がないと言っている。しかし、欧米企業を脅かす日本企業の業績をみると、
Strategyって必要なのだろうか?というのがMintzbergの主張だ。
3. M. Bensaou and M.J. Earl (1998): The Right MInd-set for Managing
IT,
Harvard Business Review
欧米と、日本企業のITの捕らえかたの相違を分析している。
Porterの考え方に沿っているようだ。日本企業のIT系の考え方は、
OperationのImprovement中心でクリアだと、Bensaou・Earlは言っている。
Seven-Eleven Japanを例示している。逆に、欧米は、ビジネスストラテジの
観点なので、うまく捕らえきっていない。Bensaou・Earlの日本の捕らえ方に
疑問をもつ個所が少なからずある。
4. Robert D. Galliers (1993): IT Strategies: beyond competitive advantage,
Journal of Strategic Information Systems
Professor Galliers(Bob)が指導教官です。この中で、ITとBusiness Strategy
Alignmentが整理されてます。Porter: Competitive Advantage -> BPR ->
Collaboration という流れで書かれてます。これに現状の、理論を整理すれば
大枠は掴めるわけです。ERP, Knowledge Management, Network/Learning
Organisation, Uncertainty, Ecommerceなどかな。この他にもこのテーマで
書かれている文献は幾つかある。
ちなみに、Porterはやはりすごい。14年前に論文で、すべてを整理している。
M.E. Porter (1985): How Information Gives You Competitive Advantage,
Harvard Business Review
The Internet, Ecommerceの到来を感じさせる内容だ。物事を本質的に捕らえて
いるのでいまだに陳腐化していない。昨年、出版したOn Competition (1998)
に
堂々とこの論文を載せている。
■CIO、CKOという役割
CIO: Chief Information Officer
Information、ITをどう会社のビジネスに活かしていくかなどを考える。
Michael J. Earl and David F. Feeny (1994): Is Your CIO Adding Value?,
Sloan Management Review
CKO: Chief Knowledge Officer
会社のノウハウを、どうビジネスに活かしていくなどを考える。
Michael J. Earl and Ian A. Scott (1999): What Is a Chief Knowledge
Officer?,
Sloan Management Review
CEOと似ていて、欧米ではそういう役職もあるようだ。会社の中心でなければ
機能しないと文献には書かれている。その意味で、Outsoucingでは補えない
とも書かれている。日本だと、IT系部署は特別な存在だったり、子会社だったり
、とても中心的な役割はしていないのが現状かなと思う。
■そして、最後に日本企業へのITビジネスアプローチの方法を考察したい。
通信会社(NTT)、メーカ(NEC、Ciscoなど)、コンサル会社の観点で、現状を調査
して、他の分析結果から解を導き出したい。
やっと、ここまで整理できた。
つづく