特売品、売れた。感激です。
そろそろ学生の入れ替えの時期になり、車売ります。教科書売ります。
という紙が目につくようになった。我々の帰国は10月初なので、まだ
まだと思っていたら、一足先に帰る美歩さん(MBA学生)の品物を売る
ことになった。FAX電話、ラジカセ、ドライヤ、テキスト1冊の4点。
とりあえず、貼ってあるチラシをみた。タイトルはSale、sale、saleに決めた。
ラジカセとテキストは売れそうだけど、FAX電話は部屋に備え付けの電話
があるので、学生は買わないだろうというのが思いだった。
チラシを作った。もちろん、一番下に連絡先を書いた短冊も用意した。
全部半額以下の値段。ブランド、定価、売り値、使用期間、持ち主が女性
だったことも書いておいた。デリバリもするといううたい文句を書いた。
我々が帰るまでに売れればいいかという感覚で、語学スクールの掲示板
と、我々の住んでいるLakesideの掲示板に張った。4時くらいに張り出した。
電話がなる。おっ。友達からだ。そんなに簡単に売れるわけはない。
また電話だ。おっ。充世が電話にでると、どうもFAXのことを言っているらしい。
FAXを見たいという申し入れだった。Lakesideのお隣さんだった。時間は、
6時。なんと2時間だ。私は、もう売れたきになって有頂天だった。
夫婦で見に来られ。FAX/電話/コピーを試し、満足して頂いた。値段は、
適当に、45ポンドとつけた。定価は110ポンドだったらしい。旦那が奥さん
に決断を任せていた。どこの家も財布は奥さんだ。今度は、ラジカセも
見せてほしいと、お客様からの申し入れ。かなりの上客だ。
うちの名もないラジカセと、美歩さんのSONYのものを見せた。
最初は、無名ブランド、25ポンド。かなり気に入っている。手応えありだ。
我が家の売却第一号だ。しかし、やはり天下のSONY、海外でのネームバリュー
は、すごい。40ポンドという半額の値段とSONYの名前に、旦那はメロメロだ。
音もいい、美歩さんの残したクラシックのテープがついていたのが駄目押し
だった。奥さんのOKサインのもと、価格交渉に入った。
45+40 = 85 を 80ポンドにおまけしてあげた。人のものに適当に値段を
つけて、さらにディスカウントするとは。チャイナタウンのように、最初から高い
値段をつけているわけではない。また、価格交渉で、泣きそうな顔でこれ以上
はかん弁してくれなどという演技もない。至って健全な交渉だった。私は、
売れて有頂天。夫妻は安くいいものが買えたと笑顔。
非常に心地よい一瞬であった。よいものを作り売り。心底ほしいと思う人に売る。
これはたまらない。しかし、ほしがっている顔はわかる。本来なら、旦那は、
最初から価格交渉で負けていた。私が85ではなく、100だといっても彼らは
買っていったであろう。いい教訓だ。勝負事は顔に表情がでたら負けである。
つづく
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