これまでは、我々の苦労話しが多く、英国のよさについて書いて
いないので、今回は豊かな英国について書こう。
5日間ほど、イングランド北部の湖水地方を旅行した。レンタカー
を借りたが、左車線、右ハンドルと日本人には問題はない。英国は
車のマナーもよく、運転しやすい国である。信号の変わりにランドバウト
という循環があり、右折する時などは、円を3/4周する必要がある。
マニュアル車がほとんどなので、要注意。
湖水地方(Lake Distinct)は、イングラント北部でスコットランドの
下にあり、コベントリからは200kmの位置である。ベアトリクス・ポータ
がピーターラビットを書き、詩人ワーズワースがこよなく愛した地方
である。緑豊かな英国においても、その景観はすばらしい。軽井沢、
相模湖、那須、オーガスタのようなゴルフ場を足した感じである。
湖、丘、家、羊、芝が調和し、他の英国の風景とは異なる。
我々の住むコベントリからは、バーミンガム、リバプール、
マンチェスター、ランカスターと北上すれば、高速一本で行ける。
道路使用税(1年間150ポンド)を払っているので、高速料金は無料で
ある。空いていれば、3時間もあれば着いたであろうが、英国の休日
と重なっていたので、バーミンガム周辺で渋滞し5時間ほどかかった。
英国の渋滞は不思議である。渋滞になる要素があまりないのに、
渋滞が起こっている。自発的渋滞かのようである。料金所はなく、
ジャンクションでの乗り降りもスムーズ。工事、事故もない。本当に
わからない。時々、50の表示が付いていたので、これがトラヒックと
関係し、スピード規制をしているのだろうか。例えるなら、ABRの出来
損ないである。
我が車は、vauxhallのCorsa1.2で新しく快調であった。トヨタ系列で
あろう。渋滞でマニュアルにも慣れ、昔を思い出し、必要以上にシフト
チェンジを楽しんでいた。もちろん、妻が乗っているので、安全第一
である。
M6という北へ向かう高速を走っていると、十分な程の緑がある。走って
いる最中には、これ以上の景色があるのだろうかと思った。
ランカスターを過ぎたあたりから、風景が少し変わった。それは、
家の造りが、それまでのレンガ造りから、石造りになったからである。
灰色で少し緑を帯びている石の家をみると、あれほど格調高く思えた
赤いレンガ造りが下品に見えるから不思議である。
高速をおりて、初日のホテルに向かった。湖水地方は、湖ごとに街が
栄えている。南のウインダミア湖、グラスミア湖、北のダーウエント湖が
有名である。我々は、ウインダミア湖周辺のボウネスに2泊、グラスミア
湖周辺のグラスミアに2泊することにした。最初はベルスフィールド
ホテルである。ウインダミア湖を一望できる丘の上にあり、なかなかの
景色である。
到着は、夜の8時であったが、まだ明るく助かった。街の名前の看板
だけを頼りに走ったので、暗ければ非常に戸惑ったであろう。事実、
次の日以降も、目的地に着くまで、何度となく道に迷うことになる。
とにかく同じような道、景色、湖、羊が続き、目的地の看板は直前に
ならないとないので、少し道を間違うと、しばらくドライブを楽しむこと
になる。
明日は、ウインダミア湖周辺を探索しよう。
つづく
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