春だから
04

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 まあシシは美味い。でも、処理次第では食えたもんじゃなくなるものシシの特性だった。より美味いシシを見分けて、一端の処理ができるようになる頃、集落で一人前とみなされてた気がした。
 狩猟なんて、言葉では知ってても、どんなもんかは想像の余地でしかなかった大佐とブレダは、狩猟にシーズンがあることにすら驚く。――狩猟の本質な意味を体現してると言ってもいい中尉は、シーズンなんてそんなの厳密に守られてるわけじゃないことを当然のように言ってみせた。しかも、その言葉の端に、「ちょっと獲ってきなさいよ。日頃の訓練の一環として」と滲んでいた…。最近、外気の寒さが届かない、春の陽気でぽかぽかした室内でだらだらして腑抜けてる自覚があった。何と気付いたとき、体重が3キロも増量していたのだ。だから最近調子が悪いと思った。身体が重くて…。つまり、この狩猟はだらけ過ぎてるとのオレへの警告に他ならない。身が引き締まる思いだった。


coming soon…
2014/04/XX