倶知安まであと一山 元気に頑張ろう!!
17・9・16 (金)
小沢〜倶知安間線図
黒煙を吐いて上る雄姿!
さあ!小沢駅に着きました この頃になるとテンダ(炭水車)
に山と積まれていた石炭もかなり減ってきて、大きいショべル
で掬う状態でも多くがはいらなくなり焚火がしずらくなってきま
す、 もう既に1トン以上の石炭を火室内にほおっている
量なので疲労も出て来ます。
機助の作業している姿を見てどの様な状況にあるかも機関士
は判断して激励の言葉をかけたり諸々のアドバイスを与えたり
します 意気が統合してなければいい仕事は出来ません。
倶知安までの仕業では あと最後の一山です ここも小沢
〜倶知安間に他の列車がなければ駅長からタブレットを受け
取り時刻表に記載された形状と合致している事を機関士、
機助で喚呼応答によって確認し 出発信号機の進行現示
を確認して駅長の出発合図により力強く発車します。
ここは発車して間もなく20/1000の上り勾配にかかる為
その手前にある「堀株川」
上り勾配の速度は20/1000では35〜42,3k/hなのでキロ程200キロの前後にあるR=250のカーブも対処外で、 兎に角勾配区間を機助の
くべる石炭で黒煙をモク、モク吐き力強く前進して行きます。 ここの難所は最後に倶知安隧道(1012M)が待ち構えてて この1012Mを
いかにして石炭をくべなくても蒸気圧を保持出来るかが機助の腕の見せ所であり 出来るだけ黒煙を吐きながらトンネルに進入しなくてもいい様に
トンネル手前から多量の石炭を焚火してこの運転状況に耐える対処をし これが上手くいくとヤレ、ヤレと云う心境でお疲れ様となります。
20/1000の上りを無事終えるとトンネルの出口から下り勾配になるので出口が過ぎたら蒸気の使用をOFFとして速度調整し乍 倶知安駅に
進入する事になります。
倶知安駅ではテンダに補水をする為、決められた停止位置にピタリと停めなければならないので どの駅に停まるより細かい神経を使います。
無事停止位置に合致すると機助は火室内に厚くなった石炭のカスをピットに落とす作業、これをカマ替えと云いますがその作業にかかります、夏は
これがまた熱くて一苦労なのです この間に機関士は下に降りて走って来た機関車に異状はないかを点検し異状なければ引継ぎとなる機関士に
その旨を伝え 一方カマ替えの終わった機助も火床を渡して其の列車の発車を待ちます。
無事発車して行った後は倶知安機関区の当番運転助役に列車の異状無く引き継ぎが終わった事を伝える点呼を受け 帰りの列車となる時間
までを休養室にて身体を休める事になります、 この時に汗をドップリかいて来た身体を風呂でその汗を流す時は片道乍ら無事終わったと云う
充実感にひたり遅くなった昼食をとり部屋のベットに身体を横たえる事になり帰りのエネルギーを蓄える事になります。
以上で小樽〜倶知安間のSL運転のおおまかな作業状態を 第6編をもって書き終えましたが内容的にはかなり省略せざるをえませんでした
喚呼応答の動作や信号の確認方、ブレーキ操作等々については中々詳細には書ききれませんでした またの機会があった時にでも単体で
説明できたらと思っています。
終わりにあたりまして 最後まで読んで頂きまして誠に有難う御座いました 最終章を終えて読み返してみた時
中々思う様に表現出来ないものと改めて痛感いたしております 読んだ皆様もきっと満足のいかなかった内容と思い
ますがお許しを乞う次第です。