オーケストラから飛び出すヒーローたち 3

 〜英雄、正義の味方、人気者、ひょうきん者、大集合!!〜

2007年4月29日(日)15:00〜

 

  指揮:梅田俊明

ゲスト:古今亭 志ん輔

企画・製作:五島励二

舞台進行指揮:成瀬清明

衣装・小道具製作 飯野秀明、桐原美砂 他

 

Tuba:佐藤和彦

ウマくん:安江正也

 音楽物語『カイくんの"ハチャメチャ浦島太郎"』

編曲/杉浦邦弘  脚本/五島励二  脚本協力/古今亭志ん輔

ウマくん(カメ、ロッカー)/安江正也 演歌歌手/篠原英和 ヨン様/林知也

音響、照明:シグマコミュニケーションズ

Photo:竹原伸治

前半

まず最初は

ウォルトン 戴冠式行進曲「王冠」(クラウン・インペリアル)より

演奏がおわりました。

今日もよろしくお願いします!!

「♪ゲッ、ゲッ、ゲッゲゲッのゲ〜」テーマに乗って現われたのは....?

妖怪退治のヒーロー「ゲゲゲの鬼太郎」

 

なんちゃって。

ご存知、毎度お馴染みの 古今亭志ん輔師匠です。

2曲目は ヨハン・シュトラウス2世 狩のポルカ Op.373

 

森や草原に獲物を求めて出かける狩。

先頭を走って獲物を見つける"犬"や、

人間を乗せて風の様に走る"馬"は、"狩"のヒーローです。

 

この写真ではおわかりいただけないのですが、狩に相応しい「かぶりもの」つけてる方々が....。

トランペット、ホルン、ピッコロにご注目!

写真をクリックしてみて下さいね!

さて、シャンプーの時に使う「ジャバジャバ・ハット」をかぶった師匠。

「何言ってるんですか?

次の曲は"スター・ウォーズ"の宇宙人の悪役ジャバ・ザ・ハット!!」

と突っ込む梅田氏。

それでは"ジャバ・ザ・ハット"で活躍するテューバ聴いていただきましょう。

ソロを吹かれるのはテューバ奏者の佐藤和彦氏です。

 

ジョン・ウィリアムズ "スター・ウォーズ"より「"ジャバ・ザ・ハット"のテーマ」

演奏が終わった佐藤氏。

いきなり"アルプスの少女ハイジ゙"のテーマを吹きだしました!

すがすがしい朝を感じた師匠、ハイジになって登場です。

 

そして次の曲は"ペール・ギュント"から「朝」

主人公"ペール・ギュント"はかなりメチャクチャな性格で親不孝な"冒険野郎"みたい。

グリーグ "ペール・ギュント"第1組曲 Op.46より「朝」

師匠、いきなりサンタクロースで登場

なぜかって?

次の曲が「そりすべり」だからクリスマスかな、と思ったようで。

そこへ例年のウマくん(トナカイ)登場。

ウマなの?トナカイなの?

Anderson そりすべり

 

前半の最後は、毎年恒例の音楽物語です。

昨年の"桃太郎"に続く<昔話シリーズ>第2弾!」

音楽物語『カイくんの"ハチャメチャ浦島太郎"』

編曲/杉浦邦弘  脚本/五島励二  脚本協力/古今亭志ん輔

ウマくん(カメ、ロッカー)/安江正也 演歌歌手/篠原英和 ヨン様/林知也

<Sibelius フィンランディア (冒頭)> 

「こらぁ〜〜っ!カイトっ!昨日お婆ちゃんがお土産にくれた"水ようかん"、食べずにゴミ箱に捨てたでしょっ!何てもったいない事をするのっ!」

「やっべぇ〜っ、お母ちゃんが"オニかあちゃん"に変身してるぞ〜」

「お父ちゃんっ!何度いったらわかるのっ?流し場に"タバコの吸い殻"捨てちゃダメでしょっ!お水を使うところはきれいにしなきゃダメなんだからっ!父ちゃんは"庭の水まき"、カイトはお風呂掃除して水を入れてっ!ちゃんとやってよっ!」

「ふぁ〜〜い…」

「ったく、父ちゃんは気楽でいいよ。はいはい、風呂掃除っと。何で母ちゃんはあんなにガミガミうるさいんだろう?父ちゃんは母ちゃんのどこが好きで結婚したのかねぇ…。

え〜と、風呂掃除は終わった終わった。はい、蛇口をひねってオシマイ!」

「終わったら宿題と勉強やりなさいっ!サボったら"ご飯抜き"よっ!」

「わ・か・り・ま・し・たっ、って言っといて、宿題やるふりしてゲームやっちゃうもんねぇ〜。」

カイくんは、そう言うとゲームを始めました。

<すぎやまこういち ドラゴンクエスト>

そして…お風呂場の水道の蛇口のことなんて、すっかり忘れてしまいました。

やがて、お風呂は水でいっぱいになり風呂桶からチョロチョロと溢れ始めました。

<Smetana モルダウ (冒頭)>

風呂場は水浸しになり、水は小さな川となって廊下に流れ出しました。まるで魔法にかかった様に水の量は増え、家の中の物を巻き込みながら大きな川になってしまいました。

「た、大変だぁ〜〜〜っ!お父ちゃ〜ん!」

庭にいるお父ちゃんには、カイくんの声は聞こえません。トイレ掃除を済ませて出て来たお母ちゃんに川の流れがせまります。

「あっ!お母ちゃ〜ん!」

「カイト〜っ、助けて〜〜〜〜〜〜っ!」

<Rimsky-Korsakow シェヘラザード 第1楽章>

<宮城道雄 春の海>

気が付くと、カイくんは自分も流されて海岸らしき場所で横たわっていました。

「た〜ぁすけて〜〜…、た〜ぁすけて〜〜…、」

「だっ、誰っ?」

カイくんの横で、1匹のウミガメが仰向けになってもがいていました。

<童謡 浦島太郎>

そこへ恒例の甲羅を付けた"ウマくん"登場。

「あんた、カメじゃないでしょ?。どう観ても"ウマ"ですよ。毎年毎年、しつこいねぇ〜。」

カイくんはウミガメをおこして助けてあげました。

「あんがと〜。フ〜。助けてくれたお礼に好きなところに連れてってあげるよ。」

「本当? 実は水に流されて家族がバラバラになっちゃったんだ。父ちゃんは多分パチンコ屋に行ったはずだがら心配ないけど、母ちゃんを探さなきゃ…でも…こんな事、現実にある訳ないよ。きっと夢だよ夢っ!」

「いい加減、目覚めなさい!」 ※『女王の教室』の阿久津真矢(あくつ・まや)風

<池 頼広 "女王の教室"より「洗脳」> 

「これは現実なのっ!のんきにしてないで、早く母ちゃん探しに行こうっ!」

「わ、わかったよ、わかった。じゃあ、宜しくお願いします。」

「ガッテン承知っ!背中に乗りなっ!」

<Debussy "小組曲"より「小舟にて」>

カイくんは、助けたカメに連れられて、母ちゃん探しの海の旅に出発しました。

「疲れたよ〜〜ん。休憩、休憩。カイくん、悪いっ!一服させて。ぷはぁ〜…」

カメは、カイくんの返事も待たずに、泳ぐのをやめてタバコを吸い始めました。

<DeepPurple Smoke on the Water>

※ウマくん、上手よりサンングラスをして、ギターを弾きながら登場。

この派手なパフォーマンスは素晴らしかったです!!

本職でないなんて信じられません!!

「また出で来たよっ、しつこいねえ。あっち行きなさいっ!シッシッ!本当にもう…、完全にレギュラー気取りですねえ。おっと、話を戻してっと。ったく、カメさんたらさあ、せかしといて自分が休憩かい。気楽なもんだね。ところでさあ、何でロックの曲が流れる訳?」

「あのねえ、今の曲のタイトルは<スモーク・オン・ザ・ウォーター>っていうの。わかる?水の上でタバコ吸って煙がモクモク…。だから、スモーク・オン・ザ・ウォーター!」

「下らねえ〜〜。まるでうちの父ちゃんの親父ギャグみたいだぁ〜。あれ?、カメさん、何か近づいて来たよ。」

<J.Williams 「ジョーズ」テーマの冒頭>

「ギャ〜〜〜ッ、サメだぁ〜、ジョーズだぁ〜。カイくん、いいかい?潜るよぉ〜っ!」

「え〜〜〜っ? そ、そんなぁ〜。た、た〜すけてぇ〜〜っ!!」

<Dvorak「新世界より」第4楽章 モ 我は海の子> 

この「新世界」風の「我は海の子」のアレンジが素晴らしかったです!

「あれっ?カメさん、サメなんかいないじゃんよ〜っ!」

「す、すまん。勘違い、勘違い。あれま、カイくん、素潜りがジョーズ、ジョーズ!」

「ごまかさないでよぉ…、でも、不思議だね。海に潜ったのに息が苦しくないよ?」

「そうとも、おいらに乗ってれば大丈夫!さあ行こう!」

「行こうって、どこへ? もしかしてさあ…助けたカメに連れられて海の中ってことは…目的地は……ひょっとして"竜宮城"?」

<日本民謡 大漁歌い込み> 

「そう思った? 残念!ここは、"竜宮城"じゃなくって…」

<ハトヤ"のCMの音楽> 

「"ハトヤ"っていうところだよ。」

「え〜〜〜っ? ホテルの名前みたいじゃん!何かウソくさ〜〜〜いっ!」

「いいのいいの。あっ、ここで一番偉い人、出て来たよ〜ん!」

カイくんは、お城の様な建物から出て来た"いかにも一番偉そうな女性"を見てビックリ!

「あっ!母ちゃん、母ちゃんじゃないかっ!こんなところで何してんだよぉ〜?」

「何を言っている、無礼者。私は"母ちゃん"じゃなくて、この"ハトヤ城"の姫だ!」

「おっかしいなぁ〜、母ちゃんにソックリなんだけど…。でも違うってことは、ひょっとして、"乙姫様"?」

「惜しいっ!私は"乙姫"ではなくって、"おっとっと姫"じゃ!」

「何それっ!ダッサ〜〜っ!」

「そんなこと言っていいのかい?母ちゃんを探してるんだろ?カイくん。あんた、ここに来るまでに流れてた"音楽"を思い出してごらん。」

「"音楽"?え〜と、モルダウに、シェヘラザードの海の部分、春の海小舟にてジョーズ…あっ!! 全部、海や水に関係のある音楽だっ!」

「そう!理由はわかるね。あんたが食べずに捨てたのは"水ようかん"。そして大洪水になったのは"水道の蛇口"の閉め忘れ……。そう、水に関係するものを祖末にしたから"海の神様"が怒って洪水を起こして母ちゃんを連れ去ったのさっ!」

「え〜〜っ、ど、どうすりゃいいの?どうしたら母ちゃんを見つけて元の世界へ帰れるの〜?」

「答えのヒントは、"水"に関係があって母ちゃんが大好きな音楽じゃ。」

「水?、みずみず……。あっ、僕の大好きな"ワンピース"は海で活躍する"海賊"のお話だっ!」

<アニメ音楽 ワンピース>

「違うっ!この番組が始まるとあんたが"晩御飯の用意"を手伝わなくなっちゃうからねえ、母ちゃんはこの曲は嫌いなはずじゃっ!」

「あたたたたた〜。そうか〜…。う〜ん、そうだ! カメさん、何か思い浮かばない?」

「俺に聞くかい?う〜ん、俺が好きな"水"に関係する曲は、これだっ!!」

<演歌 津軽海峡冬景色> 前奏が始まると師匠と梅田氏が2人でマイクの奪い合い!

ところが...、唄い出したのは2nd.バイオリンの"ブタオちゃん"こと篠原英和氏。

いつもの様に「津軽海峡冬景色」を熱傷してくれます。

素晴らしい歌声でした!!

「また今年もオイシイところ持ってかれたよっ!"ブタオちゃん"ですって。

違うっ!あんたら、アホかっ?!あんた達の好きな曲を聞いてんじゃないのっ!

母ちゃんが好きな曲じゃよっ!」

「カイくんカイくん、母ちゃんは確か父ちゃんと初めてデートしたのは"湖のほとり"だった、って言ってような気が…」

「カメさん、何でうちの両親のデートの話なんか知ってんの?ま、いいか!でも"湖のほとり"のデートって、何か嫌な予感が……」

<ドラマ "冬のソナタ"より「初めから今まで」>

ここで例年のヨン様登場。

今回は水に関係がある、というコンセプトのもと、浮き輪に足ヒレで登場。

歩きにくかったことでしょう。

でもステキなヨン様でした!

「また今年も出て来たわねぇ〜。彼、最近、郵便物の宛名が"ヨン様"宛で届くらしいわよって。

なに考えてんのよっ!違うって。でも、おしいっ!"湖"は合ってるわよ。さ〜て、あと1回で答えられなかったら二人ともペットの"ウツボ"の餌になってもらうから、覚悟しなさ〜い!」

「カメさん、ど、どうしよう?何か思い浮かばない?」

「う〜〜ん、確か、カイくんの母ちゃんは暇さえあれば"ヨーロッパ旅行"の雑誌を観てた様な気がするなあ〜。」

「カメさんが何でそんなこと知ってんのよ…。まっ、いいか。え〜〜と……、そうだ!そうだ!ヨーロッパ旅行で思い出した。母ちゃんは『ヨーロッパのある国に言ってみたい』っていつも言ってた。その国は、「湖がた〜くさんあって、自然や海も綺麗な北欧の国」

「北欧の国?」

「"フィンランド"だっ!よ〜し、この曲でどうだっ!」

<Sibelius フィンランディア (中間部)> 

「カイくん、正解じゃ!」

「誰だい?あんたは…」

「ワシは海の神様"ポセイドン"じゃ。」

「えっ、海鮮丼(かいせんどん)?」

「そうそう、イクラとウニとカニと…ち、違〜うっ! ポ・セ・イ・ド・ン! ったく最近の子供は直ぐボケるから、いちいち突っ込まなきゃいけないんだよなぁ。それは置いといて…

エヘン。母ちゃんの好きな曲はこの"フィンランディア"じゃ。母ちゃんは、日頃ガミガミと恐〜いけれど、本当はこの曲のメロディーの様に"優しい心を持った人"でお前と父ちゃんのことが大好きなんじゃよ。

ここにいる"オットット姫"はなあ、ワシの魔法にかかったお前の母ちゃんじゃよ。

魔法を解くから一緒に連れて帰れ!そして、お土産にこの"玉手箱"をやるから、後で母ちゃんと開けるがよいっ!しかし、忘れるなよ。母ちゃんの言うことを聞く。

そして"水"を、"物"を祖末にしない事!」

「うん、わかったよ。ゴメンナサイ。色々とアリガトウ、"親子丼"さん!」

「ちが〜うっ!"ポセイドン"じゃっ!」

<Sibelius フィンランディア (Allegro)>

「ふぇ〜〜〜。着いた着いたっと。一服一服。プハ〜〜ッ!」

カイくんと母ちゃんを乗せたカメは、うちの近くの小川の岸に無事たどり着きました。

「全く、何か終わるとタバコを一服って、カメさんは父ちゃんみたいだねぇ。母ちゃん?」

「ここはどこ?私は何をしてたんだい?そして、この箱はな〜に?」

カイくんは母ちゃんに今まであったことを全て話して、そして「ゴメンナサイ」を言いました。

「そうかいそうかい。で、父ちゃんはどこに行ったんだい?肝心な時にねえ。あっ、きっとまたパチンコだね! よしよし、玉手箱を開けようじゃないかい。きっと母ちゃんへのご褒美の<フィンランド旅行のクーポン券>だよ、きっと!ウッシッシッシ…」

カイくんと母ちゃんが玉手箱を開けたとたん、な、なんと、カメさんが…。

「あ〜〜あ、甲羅が重かったのなんのって…」

「と、父ちゃんっ! "カメ"は父ちゃんだったんたっ!」

「な、何だい?クーポン券じゃなくって、父ちゃんかい?」

「うるせいやいっ!俺だって、カイトを助けてた、ってな訳だいっ!」

「わかってるって父ちゃん。とにかく"水"でエラい目に合ったけど、これで"親子3人水入らず"だねっ!」

「あんたも、たまにはうまいこというねえ。」

「本当だっ!ワッハッハッハッ!!」

<Sibelius フィンランディア (Ending)> 

編曲の杉浦邦弘氏、 脚本の五島励二氏、 一人6役と脚本協力の古今亭志ん輔師匠、演技もして下さった梅田俊明氏、ウマくんの安江正也氏、 演歌歌手の篠原英和氏、 ヨン様の林知也氏、

そして舞台の成瀬清明氏、 衣装・小道具製作の飯野秀明氏と桐原美砂さんたち、 舞台と照明のシグマコミュニケーションズの皆さん、 全員に拍手!!

おまけ

小道具たちです 力作をご覧下さいね。

鬼太郎と狩で管楽器の方たちのかぶりもの
ハイジとサンタクロースと演歌歌手の衣装

ジャバジャバハット
牧師さんと博士とパイロットの衣装と小道具
もう一つ。おまけのおまけ

ジャバザハットを吹かれたテューバの佐藤氏がトリフォニーの本番のあと「自分もなんか冠りたいよ」との要請により三重県でお目見え!!

ジャバザハットです!

上の写真だけでは大きさがわからないな、と思っていたら事務局の山本さんが手伝ってくれました!

こんなに大きいんです。

しかも目は くり抜いたところに薄い透ける素材を貼って黒目を書き入れてあってちゃんと見えるんです!

後半へ

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