+ 小話16 第7話 イリアスの苦悩編 +
ラムダ先輩が、アキュートという組織を作って、暴動をあおっているらしい。
ショックだった。ただでさえ、味方のはずの某三兄弟が半ば敵なようなものなのに、あのラムダ先輩までが敵になるとは。スラムで隠居してるレイド先輩の助けは得られそうにないし……。
だが、自分は騎士団長として、やるべきことをやるだけだと思い直し、決意を新たにする。
それにしても、『アキュート』か。不思議な語感だ。
……なんとなく、ポケモンにいそうだな、アキュート。
かわいらしくて丸っこい鳥型のポケモンで、「あきゅー」って鳴くんだ。
「アキュート! エアカッターだ!」
「あーきゅー!(ダダダダダ)」
みたいな。
それでバトルに勝って、「よくやったアキュート!」ってほめたら、「あきゅーv」って言いながら自分の胸に飛び込んでくるんだ。かわいいだろうなあアハハ。
「イリアスさま、どうかなさいましたか。遠い目をしていらしたようですが」
「いや、なんでもないサイサリス」
……ちょっと、現実逃避をしていただけだ。
08.05.30
自分を「自分」と呼ぶ人の一人称文がこれほど難しいとは。
|