無農薬野菜、無肥料野菜、有機米等安全な食品に対する関心が高まっています。日本では有機JAS法によって有機認証を受けた製品以外は『有機』と表示する事が出来なくなりました。都会では大手スーパーや専門店では「有機コーナー」が増えているようですが地方ではまだまだ少ないようです(農協の売店でさえそうなのです!)。ドイツでは農産物やその他の生活用品雑貨に至るまでオーガニックな製品を国を上げて強力に推進しているため、人々の関心が高く普及が進み、規格規準も整備されています。ともあれ日本でもBSE(狂牛病)や食品関係の不正事件があいつぎ、食品の安全に対する意識が高まり“有機(オーガニック)”という考えが生活全般に広がっていくことでしょう。
住宅の分野ではシックハウス症候群問題が1960年代から始まっていたにもかかわらず業界も行政もそれに対する対策を取ってこなかったのですが、2003年7月になりやっと法改正が行われ本格的な対策が始まりました。(本来このような法律が不必要な家づくりであるべきでした。)今回の法改正は、「健康な家」に対してのスタートラインにしかすぎなく"有機な家""オーガニック"スペースへ進んで欲しいものです。食品と同じく建材から家具備品類に至るまで有機認証規格制度をつくりエコロジーとの関わりも強化できるといいと思います。
有機食品にトレーサビリティー(生産履歴・出所の検索)があるように建材にもトレーサビリティーを付与できるようになると良いでしょう(化学処理の程度やその成分等重要な項目がたくさんあります)。それは法的に義務づけるのではなく、民間で自発的に広がっていくのが望ましいのですが・・・。品質の良い家づくりは、本来、法的な強制によってではなく、ユーザーの自覚と業界の自発的な努力や競争によって行われるべきでしょう。私たちは石油製品の化合物や化学薬品の付加されたものの中ではなく、動物や植物の素材でできた洗いざらしのコットンのような安全で"オーガニック"な家に住みたいと願います。
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