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アラスカ旅行記
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2日目(2月3日) フェアバンクス(2)
うわー!すんごい巨大な鮭の切り身!これがアラスカ名物のひとつに数えられるキングサーモンかぁ。これは今日の夕食も楽しみだ。ブレンダにコーヒーとおやつのお礼を言って部屋に戻る。相変わらずマッキンリーはその姿をオレンジに輝かせている。そう、今日も快晴なのだ。昨日に引き続き今日もオーロラへの期待が高まる。今日はお昼にオーロラ仕様のカメラをノーマル状態にして遊びにいったので、晩御飯までの時間を利用して再びフルアーマー化しなくては。めんどくさいけどこれもオーロラを撮るため。ぬかりは許されない。
カメラの準備をしていると早くもサーモンタイムとなった。ダイニングに下りるとブレンダはスープを持ってきてくれた。「オィスチュースープ」だって。…オイスター?牡蠣だぁー!!これがまたすごく良い味でてます。牡蠣が苦手な妻もおかわりしてたくらい。そしていよいよキングサーモンの登場!でっかーい!分厚ーい!だけど決して大味じゃなく、臭みなんかもなかった。なんでもユーコンで捕れた15kgのキングサーモンらしい。なんかあれだね。アラスカとか行っちゃう人ならユーコンって名前だけでその気になってくるものがあるね。
もうすっごいおなか一杯。はぁ、うまかった。そこへブレンダ「クランベリーのパイ、アイスクリーム添えがあるの」。まだ出るんだ〜。妻はここで牡蠣スープをおかわりしたことを後悔していた。つうか、結局たいらげてたけど。このクランベリーパイ、さわやかな酸味と甘みがとっても美味。バニラアイスのクリーミィさと溶け合えばもう最高!アラスカにオーロラを見に行かれる方で「お料理だって大事よねって」って思ってる人、ここは料理でも外しません。
さて、今日は朝寝坊しちゃったけど充分遊んだ気がした。犬ぞりも乗ってないし散歩って言っても町中じゃないからあるのは野山だけ。でも不思議と満たされるんだね。でも本日のメインイベントはこれからなのです。オーロラなのです。ということで22:00にダイニングに下りるとトロイがやってきた。ハイ!トロイ。今日もよろしくね!「イキマショカー」
昨日と同じく車で5分の観測場所へ。ロッジの裏山を登れば歩いてでも10分で行けるらしい。だからその気になればみんなが帰ってもあとで帰ってこれる。体力に自身のある方、お試しあれ。ちなみにロッジの外でも普通に山の中なのでかなり見れます。写真的にもリフトとかより絵になるかも。撮っとけばよかった。
今日もオーロラでろーって出かけたんだけど、何か様子が違う。昨日は外に出たときすでに頭上にはオーロラが。でも真っ暗。星だけがとってもきれいに瞬いているのです。
30分待っても、1時間待っても。しばらくしてぼや〜っと出てはくるもののすぐに消えてなくなる。今日はこのまま静かな夜になるのかなー。雲みたいな薄ぅ〜いオーロラを見てても面白くないので(←昨日で味しめてる)中でコーヒーなんか飲んで、暗い部屋で空見て監視してるフリして寝てたりしていた。おいおいもう1時だよぉ〜。ぐずぐずコーヒーなんか飲んでたら監視部屋から妻がケタタマシイ何かの言葉とともに走り出してきた。慌てて手袋を装着し、カメラを持って外に出る。そこにはさっきまでの薄ぼんやりした雲とは大違い、巨大なオーロラがたなびいていたのである!わーわー言いながらシャッターを切る。規模は昨日に劣るものの、
今回のオーロラは動きが速かった。時折見せる光のカーテンに自然と声が漏れた。太陽の粒子が地磁気の流れに沿って引き寄せられ大気と相互作用を起こし、上空100kmから400kmで発光、そのスペクトルは…と言った予習はしていったけど、少なくとも今この瞬間、そんな知識は必要なかった。
トロイも写真を撮ってるみたい。高そうなデジタル一眼レフ。実は彼、天文雑誌に名前が載るほどオーロラ観測とその撮影の実力者だったのだ。彼のウェブサイトもぜひ訪れてほしい。なかなかきれいな写真が見れるよ。そんな彼にオーロラとの写真を撮ってもらった。オーロラの前に立ちまずは15秒間露光。トロイの「ウゴクナ、シテクダサイ」が合図。そいで最後にフラッシュをボン!フラッシュじゃなくて懐中電灯で人間を照らしてもきれいに撮れるらしい。うーん、今思えば自分でもやってみればよかった。揺らめくオーロラにすっかり気をとられてたよ…。ま、なんにせよフェアバンクスでのオーロラ紀行もそれなりの成果をもって終了となる。萎みだしたオーロラに別れをつげ、トロイの車に乗ってロッジへと帰ってきたのであった。
伸子さんたち親子も部屋に入り、トロイもすぐそこの自宅へと帰っていった。我々はなんとなく紫煙をくゆらせ(禁煙なので灰皿はマイナス20℃エリアにある)、今日見たオーロラをあれこれ語っていた。美しい星空なんぞ見ながら。見ながら…?ああーー!何かすごいことなってる!1本のうすいオーロラがゆらゆらしてきたと思ったらスーッと2本に。その動きはなおも加速し、3本4本とみるみるひだを作っていく。あっけにとられているとそれは暗空に吸収されるように消えていった。今の見た?もう少しここで粘ろうか。そう、オーロラ観測で大事なのはあきらめないこと。でもカメラにはフィルムが残ってない。いったん部屋に戻り体制を立て直してリトライすることに。その点こういうロッジはいいね。見たいときに外に出ればいつでも見られる。市内ではこうもいかないだろうし。
…しかし、我々の粘りにもかかわらずもはやオーロラは現れなかった。気まぐれに動き出すオーロラを見逃さないって大変なことだね。油断したらダメ。音もなくやって来てひとしきり暴れるとスーっていなくなるから。
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