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川上順君の通夜参列記

上順君の通夜が東京築地本願寺でしめやかに行われた。同僚やご親族ら500人以上が参列され、小生も三宅学習塾OB会の代表として同席させて頂いた。祭壇には八ケ岳連峰を背景にTVカメラを抱えた彼の遺影が飾られていた。それは彼の温厚さを彷彿とさせる笑顔で、かつ今回の悲運を痛感するものであった。通夜の席上、喪主の奥様から「主人は人に囲まれているのが大好きだった。このように多くの方に集まっていただき、さぞかし喜んでいることでしょう」というご挨拶があった。誰とでも分け隔て無く接する彼の人柄が忍ばれる通夜であった。
 彼の活躍ぶりはここに記すまでもないが、日本を代表とする山岳カメラマンとして世界を舞台に他人(ひと)の何倍も多くの経験をされ、次代に還元する年齢になっていた矢先の事故。この世に神の選択というものがあるならば、なぜ彼が選ばれたのか。享年とって43歳、あまりにも早すぎる死である。
 数年前、忙しい取材の合間をぬってOB会親睦会に参加してくれたときのこと。マスコミの最前線で働いているにもかかわらず、ギトギトした出世欲など全く感じさせない彼の話しぶりは皆を大いに楽しませてくれた。大自然を相手にして体得した責任感と、生来の不思議な安心感が彼の体をより大きく見せていた。
 悲報から1ヶ月がたとうとしている。狂乱的なマスコミの取り上げも嘘のように消え、彼の事故死はまさに他人事のようである。だからこそ思う。私たちにとって、川上順君は川上順君であった。名カメラマンでも何でもない。MPS門下の一塾生として共に学び共に遊んだ仲間である。ここに彼の安らかなご冥福とご遺族のご多幸をお祈りしたい。

MPSOB会事務局 鈴木秀和

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